2014 Fiscal Year Annual Research Report
制約充足問題の最適解近似アルゴリズムを高速化する制約条件の簡単な識別方法
Project/Area Number |
24500011
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山上 智幸 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80230324)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 制約充足問題 / リスト行列グラフ分割問題 / 数え上げ問題 / 時間計算量 / プッシュダウン・オートマトン |
Outline of Annual Research Achievements |
○与えられた制約条件を満たす最適解に関する「制約充足問題」は、極めて実用性の高い計算問題の一つで有り、これまの研究では、正当な解の総数を求める近似アルゴリズムの計算量の分析と評価を行ってきた。その応用として、昨年度に引き続き、予め与えられたリスト行列を用いて任意のグラフを同型分割する総数を求める「リスト行列によるグラフの分割数え上げ問題」を考察し、その解法アルゴリズムの計算量を分析した。この分析から、リスト行列の形状の種類に基づき、数え上げ問題の難しさによる分類を行い、またこの分類を計算機で行うことの難しさを論じた。 ○本研究が考察したこの問題は、Feder らによって研究された「リスト行列によるグラフ分割可能性判定問題」を数え上げの観点から再考察したものであり、近年ではHell らがリスト無しの3x3行列によるグラフ分割数え上げ問題の完全な分類を行ったが、一般の行列については未解決である。本研究ではリスト有りの一般的な行列についてグラフの分割問題の研究を行い、数え上げの利点を生かして、特殊な制約条件を満足する制約充足問題の解の総数を求める問題に還元する画期的な手法を用いて、完全な分類に初めて成功した。 ○「リスト行列によるグラフの分割数え上げ問題」研究は、オックスフォード大学の研究者との2年間に渡る共同研究の成果であり、2014年6月に米国で開催された国際会議CCC 2014で口頭発表を行った。更にこの成果を拡張し、専門誌SIAM Journal on Computingに投稿し、現在までに採択が決定されている。 ○更に、これまで主に取り扱ってきた多項式時間計算計算の計算能力を弱めた計算機モデルを考察しその性質を分析した。弱い計算モデルとしては特にプッシュダウン・オートマトンに注目し、与えられた問題の複雑さを分析する一般的な理論を構築した。
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Research Products
(11 results)