2013 Fiscal Year Research-status Report
エクサスケール計算環境に向けた高速フーリエ変換のアルゴリズムに関する研究
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24500029
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 大介 筑波大学, システム情報系, 教授 (00292714)
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Keywords | エクサスケール計算環境 / 高速フーリエ変換 |
Research Abstract |
平成25年度においては,エクサスケール計算環境に向けた高速フーリエ変換(FFT)として,GPUクラスタにおける並列一次元FFTの実装について検討を行った。 GPUクラスタにおいて並列一次元FFTを行う際には,全対全通信が3回行われることから,計算時間の大部分が全対全通信によって占められることになる。さらにCPUとGPU間を接続するインターフェースであるPCI Expressバスの理論ピークバンド幅はPCI Express Gen 2 x 16レーンの場合には一方向あたり8GB/secとなっていることから,CPUとGPU間のデータ転送量を削減することも重要になる。 GPU上のメモリをMPIにより転送する場合,基本的には(1) GPU上のデバイスメモリからCPU上のホストメモリへデータをコピーする,(2) MPIの通信関数を用いて転送する,(3) CPU上のホストメモリからGPU上のデバイスメモリにコピーする,という手順で行う必要がある。この場合,CPUとGPUのデータ転送を行っている間はMPIの通信が行われないという問題がある。そこで,CPUとGPU間のデータ転送とノード間のMPI通信をパイプライン化してオーバーラップすることができるMPIライブラリであるMVAPICH2を用いることで,この問題を解決した。さらに,FFTの処理において出現する行列の転置の処理をGPU上で行うなどの工夫も行った。 その結果,GPUクラスタにおける並列一次元FFTがPCクラスタにおける並列一次元FFTよりも高速に実行できることを確認した。 今後,エクサスケール計算環境においては,GPUなどのアクセラレータを搭載した計算ノードにおける性能が重要になる。本年度の成果は,ペタスケール計算環境において高い性能が達成される見込みであり,多くのアプリケーションで計算時間を短縮することができるものと期待できる。 また,平成25年度に行った研究成果を国際会議等で発表すると共に,それらの内容をまとめて学術雑誌等に論文を投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究成果を国際会議で発表できる見通しが立ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題については,今後のエクサスケール計算環境の動向も調査しつつ,高速フーリエ変換のアルゴリズムの開発を引き続き推進していく予定である。
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