2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500058
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
枝廣 正人 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (50578854)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | メニーコア / タスク配置 / 組込みシステム |
Research Abstract |
今年度は、階層型プロセッサ・グラフ構造、タスク・グラフ構造を定義し、その上で階層クラスタリング手法を用いた初期アルゴリズムを提案した。その中ではコア間通信性能を考慮することによってアーキテクチャの特性を考慮すると共に、その条件の下で高い性能を実現するようなクラスタリング手法を提案した。また、タスクを配置する際にクラスタを崩す回数が増加すると配置コストが増えることを発見し、初期アルゴリズムの改善を行った。 評価では、16コア、16タスクの例を用い、ランダムにタスクをマッピングした結果と提案手法の初期アルゴリズム、そして、改善を行ったアルゴリズムの有効性を示すために、クラスタを崩す回数が増加するように変更を加えたアルゴリズムに対しての比較実験を行った。タスクマッピング結果の通信性能を表すコスト関数に着目して実験を行ったところ、初期アルゴリズムではランダム配置をコスト関数において60%改善した。この初期アルゴリズムの結果を基準とすると、改善を行ったアルゴリズムでは、初期アルゴリズムの結果を26%改善、さらに、比較のために細部を変更したアルゴリズムに対しては17%コストを改善することに成功し、提案手法の有効性を示した。 また、応用分野への適用として、交通流シミュレーションを、メニーコアであるGPUに向けた最適化を行い、国際学会REACTIONにて発表した。 さらに、当該分野における国内最大の研究コミュニティである組込みシステム研究会、国内最大展示会であるEmbedded Technology 2012、一流国際学会の一つであるReal-Time System Symposium等に出張し、国内外の関連研究調査を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度目標は、①階層型メニーコアに対する階層型プロセッサ・グラフ構造の定義、②各種並列モデルに対応するタスク・グラフ構造の定義、③階層クラスタリング手法を用いたタスク配置アルゴリズムの提案であり、③に関しては、a)アーキテクチャの持つ階層に合わせたタスククラスタリング、およびb)アーキテクチャ性能特性に則したタスク配置を行う計画であった。 これに対し、すべての項目に対して手法を提案し、プログラムを実装し、簡単な例ではあるが、タスク配置を実現できた。そのため、おおむね順調に進展していると考えている。ただし、現在用いている例は16コア、16タスクであり、メニーコアとしては小規模であるため、今後さらに大規模な実験を行うとともに、手法の改善を進めていくことが必要であると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、まずは大規模な階層型メニーコアに対するタスク配置に関しても考案アルゴリズムの適用を進め、必要に応じて改善を進める。 さらに、当初計画通り、平成25年度は、④タスク配置問題に特徴的な制約事項を考慮した手法の提案を進める。特にリアルタイムシステムにおいては、タスクにはデッドライン、開始時間オフセット、周期などの様々な制約がある。階層クラスタリング、タスク配置アルゴリズムにおいて、それらの制約条件をアルゴリズムの目的関数、制約条件として考慮し、すべての制約を満足しながら効率よい実行を実現するようにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初提案に対する削減があり、計画していたパソコン購入を見送ったため、平成24年度研究費の差異が生じた。平成25年度に予定している大規模階層型メニーコアに対する実験に合わせ、計算機資源の購入を考えており、そのために使用する。ただし、平成24年度に生じた研究費差異のみでは不足するため、旅費削減によって対応する。
|
Research Products
(1 results)