2014 Fiscal Year Research-status Report
DTNにおけるクラスタ型分散協調キャッシング方式に関する研究
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24500090
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
石橋 勇人 大阪市立大学, 大学院創造都市研究科, 教授 (70212925)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分散協調キャッシュ / 携帯端末 / アドホックネットワーク / ネットワーク効率化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今急速に普及が進んでいるスマートフォンやタブレット等の携帯端末は,3GやLTE, WiMAXといった遠距離の通信が可能な通信手段(以下,遠距離通信手段)と,WiFiやBluetoothといった近距離向けの通信手段(以下,近距離通信手段)の両方を備えていることが多い.本研究では,遠距離通信手段と近距離通信手段の両方を備えた携帯端末が,狭い範囲(近距離通信手段によって通信可能な範囲)に多数存在するような状況を想定している(近距離通信手段のみを有する端末が混在していてもかまわない).具体的には,災害時の避難所や混雑しているイベント会場,電車の車内といった場所である. このような状況において,各端末が遠距離通信方式を用いて独立にインターネットに対する通信を行うと,通信容量が不足し,ユーザ体験の質が大きく低下することになりがちである.また,災害時において避難所に多くのユーザが集まっているような状況では,通信品質の問題ばかりではなく,バッテリの節約のためにも無駄な通信を避け,できるだけ通信量を減らすことが求められる. そこで,近距離通信手段によって通信可能な範囲に存在する端末群を自律的にクラスタ化し,クラスタ内部からクラスタ外部(インターネット)への通信を制御することによって,クラスタ全体として各種リソースの有効利用を図るシステムについて研究を行っている.ここでいうリソースには,通信帯域,バッテリ,ストレージなどが含まれる. 本年度は,当初の計画立案時点からの社会的・技術的状況の変化を考慮し,若干の見直しを行った.たとえば,地下鉄などのトンネル内における遠距離通信手段の途絶状況に関しては急速に改善されてきている.このため,完全に途絶する状況への対処は優先順位を下げ,不十分ではあっても接続性が維持されている状況を基本とする.また,実装を考慮した方式の再検討を行い,簡素化を図った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画にしたがい,外部接続のためのチャネル(遠距離通信手段)の使用の効率化を主眼として再構成を行った.人的資源の問題もあり,シミュレーションを含む実装には至っていないが,それについては次年度に行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,今年度までに検討した方式に基づいて実装のためのパラメータ検討や方式の洗練を行った上で,それに基づいてシミュレーションプログラムの開発を行う.また,作成したシミュレータを用いて提案方式についての評価を行う.時間的制約によって実際の携帯端末への実装は困難であると思われるが,シミュレーションプログラムの作成の際には実機に対する実装への配慮を行う予定である.
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Causes of Carryover |
シミュレーション実装を次年度に行うこととしたため,その開発用PCの購入のために一部予算を留保した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
シミュレーションプログラム開発用PCの購入に充てる予定である.
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