2012 Fiscal Year Research-status Report
自律的メカニズムに基づく室内センサネットワークの設置労力軽減手法
Project/Area Number |
24500094
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 英樹 千葉工業大学, 情報科学部, 准教授 (70306398)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
人間が普段生活する室内空間にセンサネットワークを設置する場合,多種多様な環境に合わせたセンサノードの初期設定が必要となり,運用開始までに必要な労力は大きい.本研究の目的はこの労力を軽減するためにセンサノードやセンサネットワーク自身が状況を自律的に判断し自ら初期設定を行う手法を明らかにすることにある. 平成24年度は,センサノードを用いたセンサネットワークの構築を行い,実験を通してセンサネットワーク設置時の設置労力に関する問題点を洗い出し,自律型センサノードの要求定義を行った.本研究におけるセンサノードの設置対象は,人間が操作する可動物および,人間が移動時に通過する動線上の点とする.可動物とは例えば部屋の出入口や冷蔵庫などのドア,書架やロッカーなどの開き戸,机や物品庫の引き出しなどを想定している.また通過する動線上の点とは,階段や廊下など可動物が設置されていない通過点を指す. そのためにまず,センサノードに内蔵している加速度センサおよび焦電型近接センサの時系列データを取得し,過去のデータと対照することで,センサノードの設置対象を自動判別し,判別した対象物の屋内の場所の推定手法の検討を行った.これには対象物の設置場所に関する一般的知識をモデル化した知識ベースを構築し,問い合わせることにより行う.知識ベースの構築にはこれまで本研究申請者が開発してきたB-DASHフレームワークに内蔵された知識ベースを用いて行った. 次に,部屋と部屋とをつなぐ廊下の中間点や階段の途中に設置したセンサノードの設置場所を自動認識する手法を検討した.センサには焦電型近接センサを用いて,人間がセンサノードに近づいたことを検出する.この検出した時刻と[A1]のセンサ群が検出した時刻の両方を照合し,センサが反応した時系列データや頻度を用いて,センサの設置位置の自動認識を行うシステムの試作を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の検討・設計・実装を行い,現在評価中である.また,この研究成果は国際会議に投稿し,採録が決定している.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,前年度で得られた知見をもとに,エージェントシステムとして動作するセンサネットワークの構築を行う.また次年度の計画に含まれるセンサネットワークのエンドユーザ向け機能の実現に関する基礎実験を行う.これらのために,以下の(1)(2)を行う. (1)センサネットワーク管理システムの開発:センサノードを設置開始直後から自動的に設置対象や設置場所を自動認識する自律型センサノードのソフトウェアの開発を行う.自律的に設置情報を認識するセンサノードの管理を行うには,自律型エージェントシステムが適していると予想される.そこで,これまで本研究申請者が開発・運用してきたエージェント開発フレームワークB-DASHを用いて構築する.室内に設置された複数のセンサノードを用いて人間行動センシングを行うセンサネットワークを構成する手法について検討する. (2)センサノードの移動検出手法の検討:日常生活の中で,人間が無意識のうちにセンサノードを移動させてしまうことがある.設置時に意図したとおりの動作をセンサノードにさせるためには,移動先から設置場所にセンサノードを戻す必要があるが,この移動検出の自動化について検討する. また平成26年度は,24年度及び25年度で得られた知見をもとに,センサネットワークをエンドユーザが容易に保守するための自律的センサネットワークの構築手法を検討する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際会議における成果発表のための旅費および,エージェントフレームワークを用いて運用するエージェントサーバのためのワークステーション購入に用いる.
|