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2013 Fiscal Year Research-status Report

MAP推定ノイズ除去と単一話者区間推定に基づくブラインド音源分離に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24500204
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

川村 新  大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60362646)

Keywords音源分離性能の改善
Research Abstract

25年度は,MAP推定ノイズ除去法と,直交軸射影をDUETに組み込み,システム全体を構築した.ノイズが定常的に存在する環境では,DUETで必要となるW-DO仮定が成立しないため,音源分離性能が著しく劣化する.本システムではこの問題を,MAP推定ノイズ除去を音源分離の前段に導入することで解決する.これは, MAP推定ノイズ除去によりW-DOが満たされ,DUETが効果的に実行されることを期待するものである.データベースの音声にノイズを付加した信号に対し,構築したシステムでノイズ除去および音源分離を実行した.評価結果から,予想に反して分離性能が改善しないことがわかった.原因を調査したところ,ノイズ除去後の信号から音源方向を特定できておらず,音源分離に失敗していた.MAP推定によるノイズ除去は,振幅スペクトルの劣化を改善できるものの,位相スペクトルの劣化は改善できない.これが原因となり,音源方向が特定できなかったと考えられる.よって,ノイズ除去後の音声を使用して音源分離を実行することは得策でない.そこで,観測信号にノイズ除去を行わず,音声が優勢となるスペクトルだけを用いて音源方向を特定した.そして,ノイズが含まれたままの観測信号に対し音源分離を実行する.分離した音声にはノイズが含まれているので,これに対してMAP推定によるノイズ除去法を適用する.結果として,音源分離を実行した後にノイズ除去を行った方が,高い分離性能が得られることがわかった.ただし,今回の評価は客観評価のみで実行した.今後は人間の感覚に近いとされる数値評価法のひとつである,PESQを用いて分離結果の評価を行う.また,最終的な音声にミュージカルノイズと呼ばれる耳ざわりな信号が生じていたため,これに対する除去方式の検討も合わせて行う必要がある.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は,ノイズ除去と音源分離の両方を包含するシステムを構築する予定でスタートした.しかし,当初の予定で設計したシステムでは,予想に反して音源分離結果が劣化した.この時点で進展が遅れた.しかし原因を調査した結果,システムの構成を変更することで,当初予定していた成果が得られることが明らかとなった.ただし,評価は客観評価のみを取り入れており,予定していた主観評価を実施できていない.一方で,主観評価に近い客観評価指標である,PESQと呼ばれる評価法を導入することができた.このことから,多少のスケジュール変更は余儀なくされたが,おおむね順調に研究が進展しているといえる.

Strategy for Future Research Activity

今後は,実環境音声に対して提案法の音源分離性能を評価する.評価にはPESQを用いる.また,ミュージカルノイズの除去法についても検討する.ミュージカルノイズは,過去数十年にわたり,スペクトル減算系の処理において問題となっている.しかし近年,ミュージカルノイズが生じない方法(ミュージカルノイズフリー法)が提案された.そこで,提案法においても音源分離後の信号に対し,ミュージカルノイズフリー法の導入を検討する.また,提案法では,25年度に構成を変更した影響で,ノイズ除去処理が音源数だけ必要となった.よって,全体としての演算量が増大している.そこで,26年度はシステムの演算量削減についても検討する.演算量削減については,実施計画当初から予定していたが,構成変更に対応した形で検討する必要がある.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度は,提案法に関して予想外の評価結果を得たことから,一部研究の方針を変更した.この方針変更に時間を費やし,若干の進捗遅れが生じた.このため,予定していた学会参加・発表および主観評価の実施ができなかった.
25年度に実施できなかった学会参加・成果発表および主観評価の実施は,そのまま26年度に持ち越す.時間的な遅れは若干であるため,26年度中の計画も予定通り遂行する.よって予算使用については26年度中に問題なく消化できるものと判断する.

URL: 

Published: 2015-05-28  

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