2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
鈴木 一史 放送大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90332147)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 類似形状検索 / 高次局所自己相関特徴 / 3次元物体モデル / ソリッドテクスチャ / 形状特徴 |
Research Abstract |
様々な分野で3次元物体モデルのデータが利用されるようになり、その数は増加の傾向にある。データベース化された3次元物体モデルを扱うためには、形状の類似性を考慮した内容検索が重要であり、形状特徴に関する研究が数多く提案されている。本研究では、3次元物体モデルを、形状、テクスチャ、色などの情報に基づいて分割し、分割した個々の部品から大量の特徴を抽出する。そして、これらの特徴をパターン認識技術で注目されているカスケード型の分類器およびBoF(Bag of Features)モデルを用いた手法で解析し、高速かつ再現率・適合率の高い類似検索を実現する。研究は以下の3つのステージ(3年間)で進める計画である。(1)3次元物体モデルの分割・クラスタリング手法の研究、(2)分割された大量の部品からの形状特徴抽出手法に関する研究、(3)大量の形状特徴の比較法(特にカスケード型の識別器)に関する研究、ベンチマークデータによる3次元物体モデルの類似検索の評価を行う。 本年度は、3次元物体モデルの分割に関する研究を行った。3次元物体モデルは、(1)ポリゴン(多面体)で構成される物体と(2)ボリュームデータ化された物体の2種類を対象に実験を行った。3次元物体モデルの分割は重要なアルゴリズムの一つであり、分割によるデータ処理の並列化、電子透かし情報等の埋め込み、3次元形状の部品の再利用など、その応用の範囲は広く、いくつかの分割手法が提案されている。本年度は、3次元物体モデルの局所的な特徴抽出に適した分割手法に関する研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、3次元物体モデルの局所的な特徴抽出に適した分割手法に関する研究を行った。これまでの実験では、2次元画像の分割やクラスタリングに用いられるK-Means法を3次元データに応用し、3次元物体モデルを分割するプログラムを作成している。K-Means法では、分割する個数等を初期条件として設定する必要があり、条件によって分割結果が変化する。本研究では、主に初期条件(分割をスタートする3次元座標値、分割の個数、モデルの対称性)を局所的な特徴抽出に最適となるように決定するアルゴリズムについて検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
分割された3次元物体モデルの各部品から形状特徴を抽出する手法を開発する。形状特徴は、①ポリゴン(多面体)と②ボリュームデータで構成された3次元物体モデルでは、性質が異なるため、それぞれの場合について形状特徴抽出手法の検討を行う。利用できる特徴には様々なものが考えられるが、3次元物体モデルの形状だけではなく、モデルに付加されたテクスチャ(模様)にも対応できるように、フラクタル次元特徴、高次局所自己相関特徴などを中心に検討する。得られた形状特徴を多変量解析によって比較することで、3次元物体モデルの部品検索を実現する。また、近年、パターン認識やコンピュータービジョン等の分野で研究されているカスケード型の識別器を用いることによって、部品化された3次元物体モデルから得られた膨大な数の特徴を比較・判別する。そして、従来手法よりも高速で精度の高い類似形状検索を実現する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3次元物体モデルの形状だけではなく、モデルに付加されたテクスチャ(模様)にも対応できるように、フラクタル次元特徴、高次局所自己相関特徴などを中心に検討する。そのため、データの計算に必要な中央演算処理装置、汎用GPU計算用のカード等のハードウェアを購入する。 また、得られた形状特徴を多変量解析によって比較するため、必要なオペレーティングシステム、画像解析ソフトウェア、統計ソフトウェア等を購入する。また、データ保存メディア等の消耗品を購入する。 研究内容の発表・情報収集のため旅費が必要である。
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