2013 Fiscal Year Research-status Report
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24500229
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
和田守 美穂 松江工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (20270324)
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Keywords | 音響解析 / 音色 / フラクタルアート |
Research Abstract |
楽器の演奏技術を身に付ける過程で最も難しいのが音色の向上である。特に初心者にとっては自身と上級者との音色の違いを認識することが困難である。 そこで,音色の感性情報をグラフィクスアニメーションとして視覚化することにより,聴覚情報として捉えることが困難な音色の印象を視覚情報から得られるようにすることが本研究の目的である。 平成24年度の研究では,2つの音色特徴量によってフラクタルアートを生成する手法を提案し,本手法によって生成したアートを利用して,演奏者が自身の音色をお手本とする音色に近づけることが可能であることを確認した。 平成25年度の研究では,より効果的な視覚化手法への改良を目的として,まず,スキルレベルの異なる演奏者による演奏音を収集した。さらに,これらの演奏音について音響解析を行い,音響的特徴量とスキルレベルとの関係について考察した。その結果,4つの音響的特徴量について,スキルレベルの上昇に応じて単調に増加または減少する傾向を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画では,①音色の感性情報とグラフィクスパラメータの対応付けに関する調査・検討,②音色の感性情報をグラフィクスアニメーションで表示するアプリケーションの開発,を予定していたが,①について,音響解析により音色の感性情報とスキルレベルの関係について明らかにし,②について,リアルタイムに演奏音の音響解析を行い,音響的特徴量に応じてフラクタルアートを自動生成するアプリケーションをMATLABにより開発済みである。よって,おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,平成25年度に収集した様々なスキルレベルの演奏音に対し,スキルレベルを評価する評価実験を行い,各演奏音の音響解析の結果から,スキルレベルと音響的特徴量との関係についてさらに考察する。その結果を踏まえてグラフィクスアニメーション生成のために用いるパラメータを再検討し,改良したグラフィクス生成アルゴリズムを提案する。さらに,演奏音の聴取による印象とその演奏音により生成されたグラフィクスアニメーションの印象を評価する実験を行い,音色の感性情報と生成されたグラフィクスアニメーションの印象との相関関係について考察し,本研究で提案する音色の感性情報の視覚化手法について,その有効性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
スキルレベルの異なる演奏者による演奏音を収録するため,複数のプロのクラリネット奏者に演奏を依頼したが,予定した人数に到達せず,旅費や謝金が当初の予定よりも少額になったため。 評価実験や音響解析に用いる演奏音のサンプル数を増やすため,様々な演奏家に依頼して演奏音を収録する予定である。そのための旅費や謝金に充てる。
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Research Products
(1 results)