2013 Fiscal Year Research-status Report
グラフオートマトン上の自己組織的な振動生成と構造遷移
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24500289
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
富田 康治 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (80357574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒河 治久 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (70356947)
神村 明哉 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (70356822)
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Keywords | 自己組織化 / 振動子 / グラフオートマトン / 動的ネットワーク / 複雑系 |
Research Abstract |
グラフオートマトンは、構造を変化させるルールと、ルールの適用を制約する構造との間の相互作用を記述する数理モデルである。これは静的な格子構造の上での格子点における状態変化を扱うセルオートマトンを、動的なグラフ構造に拡張したものといえ、より豊かな表現力をもつ。この枠組み上の構造の生成とその解析に関する研究を発展させ、局所的に周期的動作する構造がグラフ上に分散し相互作用する系の自己組織過程を考え、動的な構造の自己組織化の研究に資することが本研究の目的である。 このような場合、振動子のネットワークに位相関係を形成するという自己組織化と、グラフ構造によって振動子を形成する自己組織化とが同時に起こる。本年度は振動的な状態あるいは構造変化を行うルールの実行に着目した。特にノード数の少ないグラフ構造における典型的な例に着目し、初期構造やルールセットを記述し、構造変化や状態数などの性質を検討した。これらはノード数を変化させるルールを含む場合と含まない場合がある。また、より直接的に位相を導入して各ノードを振動子として取扱い、各々がパルス結合された場合の振る舞いについても昨年度に引き続き検討を進めた。周囲のノードが局所的に同期した時に限りグラフオートマトンのルールを実行するというモデルに関して、これらを実験するためのシミュレーションを行い、動作を確認した。以上に関して、国際会議で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シミュレータのプロトタイプを作成し、いくつかの基本モデルについてのシミュレーションと検討を行うことができ、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
理論研究として動的グラフ振動子系に関して数理的・理論的解析を継続して進めるととともに、シミュレーション研究ではシミュレータの改良を進め、より規模の大きいシミュレーションを行えるようにする。また、グラフオートマトンによる振動系とロボットなどの機械系を結合した系についての動力学シミュレーションなどの検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は理論研究やシミュレーションが主体となったので、次年度使用額が生じた。 外国出張のための旅費に使用予定。
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Research Products
(1 results)