2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Institute of Information Sciences |
Principal Investigator |
南 俊朗 九州情報大学, 経営情報学部, 教授 (80315150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大浦 洋子 九州情報大学, 経営情報学部, 教授 (70122695)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 図書館データ解析 / 授業データ解析 |
Research Abstract |
今年度は本研究の目標達成に向けて,従来行ってきた図書館データ解析を更に進めると共に新たに授業データの解析に関する研究を開始した.その研究成果を国際会議を中心に発表し他の研究者から興味深い研究であるとのコメントをもらうことができた.今後の研究の方向性などに関する研究交流を行うこともできた.今後も本研究の方向性を継続し,更に有用な情報を抽出するための深いデータ解析を行う. 図書館データ解析に関しては,4つの国際会議(KES-IDT 2012, ESKM 2012, eKNOW 2013, IS 2013)において研究成果を発表した.これらの研究においては,大学図書館の貸出記録より図書の特性や学生を対象とした利用者のプロファイルの解析を行った.また,この手法を学生の集合である学部に拡大することにより,学部別にプロファイルの特徴付けを行った.特に,貸し出された図書のNDC(日本十進分類)を用いることにより,利用者や学部の興味のプロファイリングを行い,それをもとに興味の範囲や学生と学部の興味パターンの類似度を分析する研究は,独自視点での研究として,今後も発展させていくべきテーマである. 一方,授業データ解析に関しては,出席点や宿題点を努力の指標とし,また,成績点を成果の指標とすることにより,学生の努力と成果の関連性を分析した.また,授業の終了時に実施された学生自身および授業への評価に関するアンケートの結果をも加えて解析を行った.その結果,自己評価に関して,成績が上位である学生は自分の努力を高く評価する学生から,もっと努力すべきだと低めに評価する学生まで幅広く存在する一方,成績下位の学生は高めに自己評価する傾向があることなどが明らかになった.これらの研究成果は3つの国際会議(KES-IDT2012, DTA 2013, 2ndATISR 2012)や九州情報大学研究論集にて発表された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも記載したように,研究成果を6つの(査読付き)国際会議論文と1つの紀要論文(日本語)として発表を行うことができた.紀要論文においては,新しい試みとして学生の評価アンケートの中で自己の総括評価をしている自由作文の部分を対象とした分析を試みた.その結果,成績上位のグループは授業で直接教えられた内容だけに留まらず,より広い視野からその意義を捉えようとしている傾向がある一方,授業で取り扱われた用語を多用して総括を行ったグループは,意外にも成績が低いという結果が得られるなど,従来の評価値を中心とした分析結果に新しい情報を追加することのできる成果が得られた. 当初は想定していなかったこのようなタイプの研究結果が得られる等,研究発表の数だけではなく,質的な進展も得られている.今後も新しいデータを加え,また,新しい視点(データ解析の切り口)を提案することにより,図書館や授業に関するデータから従来とは異なるタイプの知見が得られる可能性が高い.今後もこの方向性で独自の手法を開発していきたい.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実績報告でも指摘したように,新しいデータ解析手法を考案・提案し,それに基づいて新しいタイプの知見を得る方向性で順調に研究は進展している.今後も,この基本的なアプローチに従って研究を進めて行く. 今後進むべき方向性としては,これまで開発してきた手法を更に磨きをかけ,より精密な結果が得られるための研究を推進することに加え,新たなデータを追加することにより,それぞれのデータに対する個別の解析結果だけではなく,それらを複合的に解析することにより,従来とは異なるタイプの知見を得るための解析手法に関する研究も重要である.このような意識を頭に,更なる図書館・授業データ解析を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度も今年度と同様のアプローチで研究を進め,また,研究費を使用していきたい.今年度は当初想定していたよりも国際会議での発表件数が多く,結果として国際会議の登録料や旅費が多くなったが,これは順調に研究結果を出せていることに起因するため,今後も,想定以上に研究発表が行えるくらい研究が進捗するよう努力する.そのため,研究発表関係の研究費使用を中心に,研究遂行に必要な消耗品や備品を購入したり,研究補助費を使用したりしていきたい.
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Research Products
(8 results)