2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500351
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
永田 靖 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30198337)
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Keywords | タグチメソッド / ロバストパラメータ設計 / 動特性 / 一般化線形モデル / 信号因子 / MTシステム / T法 / 残差分析 |
Research Abstract |
複数の信号因子が存在する場合のロバストパラメータ設計の方法論を開発し,その数理的性質の研究と応用研究を行った.複数の信号因子を用いることで,大きな調整を与える信号因子と微調整を与える信号因子を使い分けるという観点から有用であることを示した.また,動特性パラメータ設計における漸近理論を導いた.特に,一致性と漸近正規性を示した.次に,誤差因子が共変量としてしか観測できない場合に,制御因子と誤差因子の交互作用を個別に推測できる方法を開発した.さらに,一般化線形モデルを用いた動特性のロバストパラメータ設計の方法論を開発した. MTシステムに関連して,次のような研究を行った.MT法の有用性と問題点を整理し,問題点を改善する方法論をまとめた総合報告論文を作成した.T法について,項目選択の問題点を明らかにし,より適切な方法を提案した.さらに,T法について,残差分析の問題点を明らかにし,改良手法を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
タグチメソッドの体系的な理論化を目指してきた.特に,実験計画法におけるSN比の一般化と特徴付け(以下,研究I),および,MTシステムの理論的研究(以下,研究II)を行ってきた.研究Iについては,この1年間では,次のような新たな成果を得た.(1)複数の信号因子を用いた動特性のパラメータ設計の方法論を確立した.(2)動特性パラメータ設計におけるSN比の推定量の漸近理論を示した.(3)誤差因子を共変量としてしか観測できない場合において,制御因子と誤差因子との交互作用を個別に判定できる方法を確立した.(4)一般化線形モデルを用いた動特性のロバスト設計についての方法論を確立した.3年間の目標の中で,この2年間で当初予定の9割以上の達成度と考えることができる. 研究IIについては,この1年間では,次のような成果を得た.(1)これまでのMTシステムの有用性・弱点を明確にし,改善方法を提案してきた内容を総合報告形式の論文にまとめ,公表した.(2)T法の項目選択について,その性質を研究し,推奨できる方法論を提案した.(3)T法の残差分析について,その性質を研究し,改善手法を提案した.3年間の目標の中で,この2年間で当初予定の8割以上の達成度と考えることができる. 以上より,25年度は,3年分の目標の4割程度を達成することができ,当初の計画以上に順調に研究が進捗していると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
研究I:一般化線形モデルを用いた動特性のロバストパラメータ設計について,重みの感度分析など,より詳細を洗練させていく.また,誤差因子を共変量としてしか観測できない場合のロバストパラメータ設計について,その妥当性をより多くのモデルで検証し,さらに,動特性への拡張を研究する. 研究II: T法について,次の観点から研究する.逆回帰との関係を検討する.また,データ数が少ない場合や完備されていない状況への応用を検討する.さらに,変数選択の問題をこれらの状況に絡めて検討する.RT法についても,変数選択の問題を検討する.そして,誤圧に関する研究も深めていきたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費が計画よりも低いレベルで抑えられた.また,パソコンなどの器具費や図書などの費用も予定よりも低く抑えられた.そのため,次年度使用額が生じた. 本年度は,研究発表のための旅費や器具費,さらには図書費用により多く出費する予定である.また,今回の研究費の最終年度なので,それをまとめる費用にも支出する予定である.
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Research Products
(13 results)