2014 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞追跡のためのバイオイメージングシステムの構築
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24500498
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
袴田 陽二 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (00218380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 正彦 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (10508873)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 神経再生 / 幹細胞 / スナネズミ / 脳虚血 / トランスジェニック |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き神経幹細胞追跡ためのバイオイメージングシステムの構築を目指して、神経幹細胞の候補として骨髄由来の間葉系幹細胞(MSCs)の特性解析と生体移植後の動態および神経保護効果を検証した。 脳虚血障害モデルとして実績の高いスナネズミを用いて、骨髄から採取したMSCsの特性を分子生物学的ならびに免疫組織学的に解析し、ヒト、ラットおよびマウスのMSC特性と比較し、スナネズミMSCsの特性が動物種を超えて、共通性が高いことを明らかにした。一方で、多分化能や形態学的特徴が動物種ごとに異なることも明らかにした。 スナネズミの一過性前脳虚血モデルを用いて、血流再開後48時間目にMSCを頸動脈内投与すると、虚血負荷後7日目の大脳皮質の神経細胞数の減少を有意に防ぎ、その効果は、静脈内投与では起こらないことを明らかにした。さらに、ナノ蛍光色素でラベルしたMSCsを同様の条件で移植すると、移植直後に脳虚血障害部位に速やかに集積するが、移植後5日目には障害部位には存在しないことを明らかにした。MSCsの脳虚血障害に対する保護効果の詳細なメカニズムは不明であるが、障害急性期におけるMSCsの神経細胞死の保護効果はMSCsの神経組織への分化あるいは組織置換ではなく、MSCsの分泌する各種の保護因子によるものと考えられる。 今回の研究では、ルミネッセンス発光や蛍光タンパクであるGFPを用いたバイオイメージングシステムの構築を目指し、両形質を発現するトランスジェニックラットを由来とするMSCsを樹立したが、スナネズミ移植後の体内消失が極めて早く、既存のバイオイメージングシステムによる長期の観察が困難であった。当初、MSCsの抗原性によるものと考えられたが、移植後のMSCsの体内動態は移植のタイミングや移植細胞数あるいは移植ルートにより大きく変動する可能性があり、バイオイメージングシステムの構築を目指す上で、更なる検討が必要である。
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Research Products
(7 results)