2013 Fiscal Year Research-status Report
医科歯科連携による高次脳機能障害者に対する包括的支援モデルの構築
Project/Area Number |
24500587
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
白山 靖彦 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40434542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 美和 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30253462)
永廣 信治 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60145315)
日野出 大輔 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70189801)
竹内 祐子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80457316)
吉岡 昌美 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90243708)
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Keywords | 高次脳機能障害 / 医科歯科連携 / 支援ツール |
Research Abstract |
当該年度では,研究計画に示したとおり,①徳島県歯科医師会加入の全歯科病院・診療所を対象とし,高次脳機能障害者の診察の有無,程度,治療経過および支援拠機関(徳島大学大学病院)との連携有無などについてアンケート調査を行った.回収率は20.6%であった.歯科医療機関の形態は歯科医院が大半を占め,平均従業者数は6.6(±3.5)人であった.連携率を(相談件数または連携実績)/(相談件数または回答数) (%)とした場合,歯科医療機関が他の医療機関と連携したのは10.3%であった.また,過去に連携したことのある歯科医療機関は,高次脳機能障害の認知度,診察歴有りの比率が有意に高かった.脳損傷と同時に顔面や口腔を損傷した高次脳機能障害者を支援するためには,今後医科歯科の連携をより緊密にしていくことの重要性が示唆された.本研究成果は,第37回日本高次脳機能障害学会にて発表した. ②医科歯科連携パス(名称:「こうじのーと」)を作成し,年度後半に全国の拠点機関や四国内関係機関に対して作成配布(1,000部)した. ③医科歯科連携パスを掲載するホームページを開設し,インターネット上からダウンロードできるシステムを整えた.http://www.tokushima-u.ac.jp/dent/shirayama/ ④医科歯科連携パス検討委員会(委員16名)を2回実施し,「こうじのーと」の項目などに関して,活発な意見交換を行った. 以上4項目について実施した.本研究の最大の意義は,高次脳機能障害支援に関し,歯科医療機関を重要な連携先とすることである.そのために,共通のツールなる連携パス(こうじのーと)を作成し,今後運用を図ることは,医科歯科連携による支援の一般化に向けて重要な一助となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度当初計画では,「歯科を受診している高次脳機能障害者の実態調査」であり,徳島県歯科医師会加入の歯科医療機関の全調査を実施し,高次脳機能障害者を包括的に支援する医科歯科の連携率が低いことを明確にした.ただ,今後より連携を高めようとするとする歯科医師も多く存在することも分かったことで,歯科側へのアプローチ方法にヒントを得た. 平成24年度に作成した高次脳機能障害医科歯科連携パス(通称:「こうじのーと」)を広く普及させるために,印刷物1000部と,専用のホームページを開設した.印刷物は,全国の高次脳機能障害支援拠点機関,四国内の保健所,相談支援事業所などに配布,ホームページでは,一定の制限をかけた上でダウンロードできる仕組みとした. 当該年度においても,高次脳機能障害医科歯科連携パス策定検討会を2回実施し,医師,歯科医師,ソーシャルワーカー,心理士,当事者・家族などが様々な課題やアイデアに関する活発な意見交換が行われた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,①支援ツール「こうじのーと」の普及拡大,②シンポジウム,フォーラムなどの開催,③支援ツールの有用性の検証,である.特に③については,実際に使用している専門機関,当事者,家族から聞き取りを行い,定性的に分析を加える. そして,本研究の集大成として,関連研究などを取りまとめるとともに,研究の限界,課題を見極めた上で,発展的研究の基礎を築く.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初,ホームページコンテンツ作成料700,000円を計上していたが,作成したホームページには,当該研究成果だけでなく,他の情報も掲載することになったため,別資金にて作成し,余剰となった. 余剰につきましては,高次脳機能障害医科歯科連携ツール(通称:「こうじのーと」)のバージョンアップ版の印刷費及び,本研究成果を示すリーフレット作成費に充当する.
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Research Products
(24 results)