2013 Fiscal Year Research-status Report
子どもの動作の「スキル」獲得過程の縦断的および横断的検討
Project/Area Number |
24500682
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山田 洋 東海大学, 体育学部, 准教授 (30372949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小河原 慶太 東海大学, 体育学部, 准教授 (90407990)
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Keywords | バイオメカニクス / 筋電図 / 二次元DLT法 / 身体合成重心 / 発育発達 / 角速度 / 走・跳・投動作 / 膝関節 |
Research Abstract |
本研究は、動きの「質」に焦点を絞り、バイオメカニクス的・生理学的な指標を用いて、幼児期から児童期までの子どもにおける走・跳・投動作の「スキル」獲得過程に関して、同一の被験児に対して縦断的に検討すること、および平行して任意時点における同年代の子どもを対象に横断的に検討することを目的とした。研究の主な内容は、1)映像解析による関節運動(屈曲・伸展)の順序性からみた走・跳・投動作の「スキル」の測定・解析、および、同一被験児について幼児期か ら小学校期にわたり追跡して検討する「スキル」獲得過程の縦断的検討、2)現時点における同年代(幼稚園年少から小学校6年生まで)の子どもの「スキル」獲得過程の横断的検討であった。 1)「スキル」獲得過程の縦断的検討 「スキル」の評価対象としては、これまでと同様に跳躍動作を用いた。跳躍動作は立ち幅跳びとした。立ち幅跳びに関しては記録も行い、全国平均値との比較検討も行った。跳躍動作を対象に、二次元動作DLT法を用いて解析を行い、合成重心を算出して跳躍のパフォーマンスを評価した。また、 下肢の各関節(股関節、膝関節、足関節)における角度・角速度・角加速度等のKinematicsデータを算出した。卒園児を対象に同様の測定を行った。得られた映像データに対し、上記の手法を用いて解析を行った。 2)「スキル」獲得過程の横断的検討 幼稚園児・小学校児童を対象に同様の測定を行い、横断的に検討した。被験児は、年少・年中・年長幼児、および小学校1~6年 生児童であった。測定は、応募者の所属機関と継続して研究を行っている長野県の幼稚園・小学校で実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、映像解析による関節運動(屈曲・伸展)の順序性、および下肢の筋電図放電パターンを走・跳・投動作の「スキル」の評価指標としている。子どもの筋電図測定は難しいため、動作への影響の少なさ・電極装着の簡便さを重視し、ワイヤレス電極式筋電図計測システムFree EMG-8 8ch(ベルテックジャパン社製)を購入した。しかしながらその納品が遅れたこと、および初期不良等もあり筋電図計測の進捗状況がやや遅れている。 「スキル」獲得過程の縦断的検討に関して、現在、小学校2年生までのデータは揃っており、分析を進めている最中である。一方、その後の縦断的データの採取については、被験児の都合や幼稚園・小学校とのスケジュール調整がこれまでより困難となっており、被験児数の確保が難しくなっている。そのため高学年になってからのデータが不足している。 「スキル」獲得過程の横断的検討に関して、応募者の所属機関と継続して研究を行っている長野県の幼稚園・小学校で体力測定を行い、50m走、立ち幅跳び、ソフトボール投げ時の映像撮影を行った。跳躍動作の映像解析については分析がほぼ終了しており、現在結果をまとめている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き、これまで介入して運動指導および測定を実施している幼稚園・小学校で引き続き研究を行う。 筋電図計測に関しては、ワイヤレス電極式筋電図計測システムFree EMG-8 8chを用いて、抽出した幼児・児童を対象として跳躍動作中の下肢の筋電図計測を実施する。 「スキル」獲得過程の縦断的検討に関しては、被験児の都合や幼稚園・小学校とのスケジュール調整がこれまでより困難となっており、被験児数の確保が難しくなってきている。今後は、被験児やその家族、幼稚園との連絡・調整を密に行い、被験児数の確保に務め、今年度内に最終測定を行う。 「スキル」獲得過程の横断的検討に関して、跳躍動作に関しては分析が終了している。これらの研究成果に関しては、国内 の学会で発表を行うとともに、原著論文として投稿する。 このようにデータの採取・分析を平行して行うとともに、三年間の研究成果と、それ以前に行った研究成果を統合して、子どもの動作の「スキル」獲得過程の縦断的および横断的検討としての成果としてまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度の所要額574,810円に対して、当該年度の実支出額が565,100円であった。従って、その差額として9,710円が生じた。これは、物品費・旅費・人件費が、価格変動(景気変動・為替変動等含む)を受けて申請時の価格と異なったために生じたものである。 当該年度の所要額と、当該年度の実支出額が異なったため、その差額が生じた。これは、物品費・旅費・人件費が、当初の予定と異なったために生じたものである。これについては、次年度予算と合わせて研究遂行に必要な消耗品の購入にあてる。 これらを受け、今後は、計画に基づいて適正に使用できるように充分に留意する。
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