2013 Fiscal Year Research-status Report
前回り受身習得用柔道衣・「初転君」の科学的エビデンスに関する研究
Project/Area Number |
24500745
|
Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
濱田 初幸 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 准教授 (50347118)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 明 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (40264543)
小山田 和行 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 助教 (10573818)
|
Keywords | 柔道受傷事故防止 / 初転君 / 前回り受身 |
Research Abstract |
『学習教材「初転君」が柔道初心者の前回り受身に及ぼす効果について』の研究を行ってきた。主な実験として次の要領で実施した。K 大学に在籍する柔道未経験者学生11名(男子3名 /女子8名)を対象とし,「初転君」を用いて受身の練習を行う初転君群6名と普通の柔道衣にて練習を行うコントロール群5名に区分した。前回り受身の際の圧力パターンを改良した圧力シート(X3 メディカルシステム, XSENSOR Technology)を用いて観察した。同時にハイスピードカメラ(EX-F1,Canon)を3台用いて、前回り受身の際の動作を毎秒250フレームにて撮影した。結果、コントロール群の圧力分布パターンは熟練者型のパターンを示した例と比較して、プレとポストで変化がみられなかったのに対し、初転君群の圧力パターンは熟練型パターンに近づいた被験者が多くなった。内省報告においては初転君群の被験者は「初転君にラインがあることで回転方向がとてもわかりやすかった」と全被験者が回答した。柔道の前回り受身の補助機能付上衣「初転君」を用いた指導は、前回り受身の際の圧力分布パターンが、熟練型パターンに近づき滑らかな回転動作を習得することができ、内省報告による理解のしやすさからも従来の柔道衣による指導よりも即時的効果が高まることが明らかとなった。この結果を平成25年度日本武道学会で発表した。さらに、近隣の中学校保健体育教員の協力依頼を行い、中学生柔道初心者の本研究への参加承諾に向けた活動を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を学会にて発表することができ、さらに論文作成作業も順調に進みつつある。中学生を対象とする実験計画もスムースに進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
中学生柔道初心者を対象とした実験を実施し、武道必修化に則した研究成果を発表したいと考えている。対象者からの承諾を得ることができ、関係教員、補助員等と綿密な打ち合わせを行っている。その成果を26年度の学会で発表したいと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外への調査研究を次年度に変更したため。 10月に欧州で開催される、武道学会において資料収集活動を実施予定。
|
Research Products
(1 results)