2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500771
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
中村 康雄 同志社大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (00323957)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肩甲骨 / アーチェリー / 動作解析 |
Research Abstract |
アーチェリーのシューティング動作において,肩甲骨の使い方は非常に重要である.しかしながら,肩甲骨の運動計測が非常に困難なことから,シューティング動作時の肩甲骨運動は評価されていない.そこで本申請は,アーチェリーのシューティング技術のより正確な評価を目的として,シューティング動作における肩甲骨の位置と姿勢を含む肩関節の運動を無侵襲に計測することを目的とする. 平成24年度は,モーションキャプチャ・システム(Mac3D, Motion Analysis)を用いて,体育会に所属する6名の健康な男子大学生の肩関節運動を計測した.被検者の背側左側の体表には,左肩甲骨の肩甲棘と内側縁,肩峰の形状を記録できるように,格子状に4行5列の合計20個の反射マーカを貼付した.同時に,骨特徴点を触診し,最も骨特徴点に近いマーカ番号を記録した.加えて,上肢の運動を計測するために,上肢に8個の反射マーカを貼付した.計測した動作は,解剖学的に基準となる関節動作とし,肩関節の屈曲・伸展,内転・外転,内旋・外旋,肩甲骨の内転・外転とした. 被検者群は,上肢の筋トレーニングを積んだ男子であったため,肩周辺筋群(棘下筋と棘上筋,僧帽筋)が大きく発達していた.そのため測定結果は,被検者の肩関節の運動にともない筋が大きく隆起するため,肩甲骨と大きく隆起した筋を含む形状となった.そのため,肩甲骨の骨形状モデルとの重ね合わせだけでは,精度が不十分であった.平成25年度には,骨モデルに加え筋もモデルに含める計画である. 以上から,体表から肩甲骨の姿勢を推定するところまでは至っていないが,被検者の体型を分類し,筋も含めたモデルを開発していく必要があることが明らかとなった.この成果は,無侵襲にて肩甲骨を含む肩関節の動作を推定するための基礎として意義があると考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計計画では,被検者の性別を指定していなかった.そのため,被検者として,男性と女性の区別無く被検者を募った.しかしながら,肩甲骨周辺の背部形状を計測するため,プライバシーの観点から女性の被検者から一部の計測に同意が得られなかった.そのため当初予定していた被験者数10名に至らなかった.しかしながら,6名の男子学生の計測データから,十分な基礎データを得ることができた. つぎに,当初の計画では,アーチェリーのシューティング動作を計測対象としていたが,計測動作を解剖学的な基準姿勢となる肩関節の屈曲・伸展,内転・回転,内旋・外旋,肩甲骨の内転・外転とした.このことから,さまざまな肩関節の運動に対応する計測データが得られた. 以上から,被検者数が当初の予定よりやや少ないが,計画を遂行するために必要なデータを得ることが出来たことから,上記の自己評価とした.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,被検者を男性に限定し計測を実施する.また,平成25年度は,被検者10名を計画していたが,不足している被検者数を補うため,14名以上の被検者を計測する.次に,平成24年度の計測結果から筋の形状を考慮する必要が生じたため,体表形状の測定分解能を向上する必要がある.そのため,被検者の背側体表に貼付するマーカのサイズを小さくし,かつ,マーカ数を増加することで,より詳細に計測する.それ以外は,当初の計画に基づき研究を推進する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は,参加を予定していた学会と重要な学内業務が重なり,学会に参加できなかった.当初予定していた旅費が執行できなかったために,当該研究費が生じた.当該研究費は,実験において多量に消耗される小型反射マーカの購入に充てる.
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