2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500777
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
下園 博信 九州共立大学, スポーツ科学部, 教授 (30279294)
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Keywords | 状況判断 / 認知的トレーニング / ラグビーフットボール |
Research Abstract |
25年度については、ボールゲームの状況判断にかかわる先行研究をもとに新たな視点で、状況判断を向上させるトレーニングについての開発、検討を行った。特にジュニア期の選手、指導者への調査、試合中の動きから状況判断の是非を分析することが主となった。また、24年度以前に収集していた状況判断に関するデータについてまとめることもでき、論文として完成させた。内容については、以下のようであった。 状況判断を向上させる認知的トレーニング法の応用を考え、授業を活用してラグビーに関わる基本的な知識、ルール、戦術などを学ばせるといった宣言的知識を付加し、さらに一定の期間に認知的トレーニング法を実施することによって、ラグビーの状況判断に及ぼす影響を検討した。ラグビーは、技術やルールの難易度の高さや身体接触を伴うことから、ボールゲームの中では非常に経験者は少ないと考えられる。そのため授業において、基本的な知識を学ばせ、認知的トレーニング法を実施することにより、状況判断を容易にさせ、未経験者のラグビーに対する理解を深めさせた。結果は、未経験者の状況判断は、授業後に有意に向上した。特に、ラグビー未経験者の「防御の状況」が向上した。経験者は、状況判断全体の変化はみられなかったが、「選択すべき個人のテクニック」が向上した。さらに、授業後の状況判断テストと宣言的知識のテストには有意な相関が見られた。また、状況判断テストの得点変化率と理解度については、経験者、未経験者ともに得点変化率の高い方が、理解度も有意に高い結果となった. 26年度は、状況判断を向上させるトレーニングのフォーマットを完成させ、まとめることを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度よりは、進捗状況は順調であると思われる。26年度で今までのデータをまとめ、完成させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を踏まえて、最終年度で研究を完結させることを最大の目標とします。ただし、状況判断のトレーニング法の構築・開発について、スポーツ指導の現場においては経験的側面が強調される課題として、古くから取り上げられている。その時々において、写真を使用したり、スライドを使用したり、スポーツ指導者が状況判断を向上させる取り組みを行ってきた。本研究が掲げた課題は、スポーツ指導の歴史を垣間見ることができるもので、今のスポーツ指導につながる「古くて新しい」課題といえる。また,最近のスポーツ指導においては、高圧的な指導や体罰、ハラスメントなど人権を無視した指導が問題となっている。状況判断を向上させる認知的トレーニング法は指導者と選手の双方向型のトレーニングとして、指導者から選手へプレーの理解を促し、選手はプレー中の考えを指導者や他のメンバーに伝えることができる.認知的トレーング法は,今後のスポーツ指導において、指導者と選手の相互理解を促進する教育的スポーツ指導の役割も持っていると考えられる。このようなスポーツ指導への提言も踏まえたまとめを考えてみたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
統計処理ソフトと、実験で使用するラグビーボール等の用具を次年度に購入するために繰り越しました データ処理のための統計処理ソフト(SPSS)、実験に使用するラグビー用具(ボールなど)を購入予定
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Research Products
(2 results)