2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500797
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
酒井 健介 城西国際大学, 薬学部, 准教授 (70406784)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 運動 / マグネシウム / TRPM7 |
Research Abstract |
Mgの摂取と運動負荷のタイミングが骨格筋Mg量やTRPM7の発現量に及ぼす影響を検討した。これまでは週5日の強制遊泳運動を負荷してきたが、本研究では隔日(7日/2週間)の運動を負荷し、運動前に高Mg食を給餌した場合と運動後に高Mgを給餌した場合との格筋Mg量やTRPM7の発現量に及ぼす影響を検討した。飼料は運動後に精製飼料を制限給餌(17.5 g/日)し、2週間の飼育期間でMg摂取量が均一になるようデザインした。SD系雄性ラット36匹を安静-通常食(500ppm)群(SN)、運動-運動前高Mg(750ppm)食/運動後低Mg(250ppm)食(EL)、運動-通常食群(EN)、運動-運動前低Mg食/運動後高Mg食(EH)の4群に割付け、2週間の飼育実験を行った。本研究では運動負荷頻度を低下させてはいたものの、クエン酸合成酵素活性は安静群に比して運動負荷群で有意な高値を示した。一方、Mg吸収率はEHのみがSNに比して有意な高値を示し、運動負荷群間では有意な相違は観察されなかった。血中Mg濃度および骨格筋Mg量に統計的有意は確認されなかったが、ELが高値を示した。また骨格筋TRPM7の発現量はENおよびEHがSNより高値を示したものの、運動負荷群の群間では有意差は確認されなかった。これらの結果は、一定量のMg量を給餌した場合、運動負荷と摂取タイミングはMg要求性に影響を及ぼさないことを示唆した。しかしながら運動負荷強度や摂取Mg量など検討すべき点は残っている。とりわけ、運動の急性負荷時の血中Mg濃度の変化と骨格筋TRPM7の発現に関する検討は行う必要がある。現在、TRPM7のタンパク質発現量に加え、mRNAの発現量の測定を検討している。現段階では文献やprimerBLASTを利用し、プラーマーの設計が完了した。今後、タンパク質と共にmRNAの発現をアウトカムに検討を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、運動負荷時の血液酸塩基平衡(血液ガス)と血中Mg濃度の変化および骨格筋TRPM7の変動についても検討することを計画していた。運動負荷とMg摂取のタイミングに関する研究の検討結果も踏まえて、高強度単回負荷時(急性負荷時)のMg動態についての検討を予定していたが、未実施に終わった。運動負荷とMg摂取のタイミングに関する研究の開始時期および解析の遅れが影響したことに加え、期初に大学業務(新規学部における授業開講、委員会活動における担当業務増)の増加も一因にあったと考える。 またTRPM7のタンパク質発現(Western blotting法)が不安定な時期があり抗体の選定および異なる解析方法(PCR法)の検討にも時間を割いたことも影響したと考える。今年度は、新たな大学業務負担増はないため、24年度計画分の遅れを取り戻すよう計画する。
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Strategy for Future Research Activity |
現段階では、摂取Mgと運動の骨格筋MgおよびTRPM7の発現量に焦点を絞り検討している。血液Mg濃度、骨格筋Mg量および骨格筋TRPM7の発現量は、運動負荷形態(頻度および強度等)の違いで、必ずしも一致した見解が得られていない状況にある。早期の段階で、骨格筋に関してはTRPM7以外の輸送タンパク(MagT1やNa/Mgアンチポーター)の関与について検討する必要があると考える、TRPM7をはじめこれらのMg輸送単体が骨格筋に発現している報告はこれまでになされておらず、骨格筋Mg代謝とエネルギー産生や細胞内緩衝作用等に及ぼす影響について、今後2年間で検討することを計画する。併せて消化管でのMg吸収や腎臓でのMg排泄と運動負荷との関わり合いについても検討する必要があると考え、これらの結果を踏まえた上で、SD系やWister系といった正常ラットのみならず、疾患モデル動物(SHRやGK/Jcl)においても同様の検討を試みたいと考える。各種標的タンパク質の検出はこれまでWestern blottingを中心に行ってきたが、十分な妥当性が検証されていない抗体もあり、今後はmRNAと併せて評価する必要があると考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
運動モデルとしてこれまで強制遊泳モデルを採用してきた。しかしながら実験動物において、群内のバラツキが確認されている。安定した運動負荷ストレスをモデル動物に供するために、適切な運動負荷機器の購入を検討する。トレッドミル等現在選定中であるが、平成24年度にこれらの機器購入に至らなかったため、今年度中にも選定再評価を検討する。
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Research Products
(2 results)