2012 Fiscal Year Research-status Report
運動が老齢期の神経筋接合部形態および運動神経細胞に及ぼす影響
Project/Area Number |
24500806
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 至学館大学短期大学部 |
Principal Investigator |
西沢 富江 至学館大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (30283980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 規克 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60152659)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経筋接合部形態 / 脊髄運動神経細胞 / 筋原性調節 / 筋活動量 / 筋機能特性 |
Research Abstract |
本研究では、運動が神経筋再接合部退行変化を抑制し筋力低下を抑制するか否かを「筋活動が何らかの情報を神経に発信→神経筋接合部、運動神経細胞の退行変化抑制→運動単位の維持→筋力低下抑制」のような筋原性調節が起こることを仮説とし解明することを目的とする。神経筋接合部研究の筋原性調節や環境性については、「多重入力後の神経死による運動神経の生存」、「余剰神経の入力排除」、「骨格筋活動状態とシナプス形成の関係」等の現象は判明している。しかし、機序に関しては不明な点が多い。また、運動神経、骨格筋は収縮活動を行わなければ、退行してしまうことが明らかになっているにもかかわらず、これまでの研究報告は、筋収縮との関連性について報告がなされていない。そこで本研究では筋収縮活動に伴う運動神経細胞および神経筋接合部形態変化の関係に着目する。 平成24年度はモデル実験を行い、筋機能特性と骨格筋筋線維、神経筋接合部及び神経細胞の形態変化を光学顕微鏡により観察し、筋活動による神経筋接合部形態変化、脊髄運動神経細胞数変化と機能的特性の変化を検討した。 実験動物には発育初期のFischer344雄ラットを用い被験筋を長指伸筋(EDL)とした。一過性除神経により情報遮断、協動腱切除により筋活動増加状態にした。一過性除神経実験:神経凍結3日後の発揮張力は直接刺激張力、直接刺激張力/間接刺激張力値の低下が起こり、神経情報伝達遮断が確認された。神経筋接合部では、神経終末の衰退が観察された。活動量増加実験:筋活動増加のためにEDLの協動筋である前脛骨筋の腱切除を行った。協動腱切除3日後の発揮張力は変化が認められなかった。神経筋接合部においても、形態変化は認められなかった。 脊髄運動神経細胞はペルオキシダーゼ逆行性輸送法を用いて、EDLの神経細胞を同定することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書には、筋活動量増加実験はトレーニングにて行う予定であったが、実験方法を確立するために25年度に計画したモデル実験に変更した。 筋機能特性として筋発揮張力直接刺激張力、直接刺激張力/間接刺激張力値の測定は計画通り行った。筋線維形態、神経筋接合部形態に関しても研究計画通りに行った。 一方、運動神経細胞同定に関してHRP法を用いたが、更に分析が容易になるような同定法を模索したため、サンプルの染色は終了したが分析は現在進行中である。加えて動神経細胞数、面積の測定法についても様々な方法で検討を行ったことも研究がやや遅れている原因ではある。しかし、染色法法や分析方法については研究に有意義なものを選出したので、次年度以降は研究の遂行が容易になると考える。 神経栄養因子の遺伝子発現量測定も現在分析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は当初24年度に計画したトレーニング実験と不活動実験を行う。 活動量増加実験:実験動物に自発走トレーニングを行わせる。実験動物は、生後12、24、48、週齢のFischer344系雄ラットを用いる。不活動実験:実験動物は、生後24、48、週齢のFischer344雄ラットを用いる。ラットに後肢ギプス固定をそれぞれ1週間、2週間、4週間行わせ、不活動による検討を行う。その他測定は24年度と同様に行う。 24年度に飼育した老齢ラットの測定も行う。 測定方法は24年度に充分検討したので、25年度以降も同様に行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度の予算は、主に物件費二使用する。逆行性輸送標識用試薬、遺伝子発現解析試薬、実験動物の購入にあてる。
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Research Products
(3 results)