2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500812
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
川村 協平 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60126646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 太郎 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (70345049)
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Keywords | 狩猟採集社会 / レクリエーション / 健康 / エスキモー / 遊び |
Research Abstract |
本研究は2年目にあたり、テーマは狩猟採集社会から学ぶレクリエーションと健康である.自然と深く関わって暮らす狩猟採集社会では子どもは遊びを通して生き抜くための知恵や技術を学ぶ。小集団で生活を共有するエスキモーの狩猟生活社会は子どもたちにとって学校そのものであると言える.狩猟採集社会のライフスタイルを観察し、物や環境に対する意識を調査することによって、野外教育や環境教育、レクリエーション教育のもつ現代的意義と価値について考える事は極めて意義深いと考えられる.今回の調査は、エスキモーの村の子どもたちの日常の遊びに焦点を当てた。調査の対象はエスキモーの暮らす村の小学校児童であった。調査は教室での聞き取り調査、また、放課後の子どもたちに同行し外で行う遊びの実態を観察した。その様子から子どもたちの外での遊び時間は短く、室内で過ごす時間が圧倒的に多かった。しかしこれは寒くなりかけた9月の調査での結果であり、気温のより温暖な7月、8月の実態を把握出来ていないのが現状である.また、冬の子どもの外遊びは極めて限られたものであった。さらには、エスキモーの狩猟採集についての調査を行うために、カリブーハンティングに同行し、狩猟の方法や年間の捕獲数、その保存や消費についての聞き取り調査を行った。彼らの狩猟は、食生活のためだけではなく、多分にレクリエーション的な意味合いがつよいと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査地はアメリカアラスカ州フェアバンクスより飛行機で北へ2時間~2時間半の北極圏国立公園の中にあるAnakutuvuk Pass という村である。調査地へはフェアバンクスからセスナ機で向うが、天候に左右される事が多く、予定通りのに入れないことがある.また、調査にはエスキモーの村人に協力を依頼しているが、カリブーでハンティングに出かける事も多く充分な時間をかけての調査ができなかった。しかし、ハンティングへの同行は数度でき、エスキモーの生の暮らしの一端を知る事はできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は再度Anakutuvuk Pass の村で調査を行う予定である。 主として子どもたちの放課後の遊びに焦点を当てて、誰とどこでどのような遊びを行っているのかを追跡する予定である.調査期間は9月初旬から中旬の予定。また、エスキモーのカリブーハンティングに同行し、かれらの暮らしの中で展開される狩猟が生活の質(QOL)にどのように影響しているのかを追跡する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3年目の研究費のみでの出張は予算的に不足するため2年目の研究費を残した 主として調査のための出張費として用いる
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Research Products
(3 results)