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2012 Fiscal Year Research-status Report

SMARPPの実践における課題の明確化に基づく実践ガイドの画策に向けて

Research Project

Project/Area Number 24500838
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionFujita Health University

Principal Investigator

近藤 千春  藤田保健衛生大学, 医療科学部, 准教授 (60331576)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 和田 貴子  藤田保健衛生大学, 医療科学学部, 助手 (20599435)
松本 俊彦  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (40326054)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
KeywordsSMARPP / 薬物依存症 / 集団凝集性
Research Abstract

当該年度の主な研究活動として、以下の2点が挙げられる。
1.SMARPP実施の全保健・医療機関に対して実態調査を実施した。
調査にあたり研究代表者の近藤が調査票の原案を作成し、分担研究者や研究協力者と共に内容を検討した。調査の依頼は2段階に分けて実施した。第1段階は、分担研究者でありSMARPPの考案者である松本氏によって調査対象となる施設に調査協力の可否を文章で確認し、その回答の結果を受け承諾が得られた機関に調査票を配布した。回収された調査票は研究代表者の近藤がデータの入力・集計及び解析を実施した。データの集計結果及び分析結果を基に、調査協力機関への結果報告のための報告書の作成作業を3人で検討しながら行っている。しかし、調査票の回収が計画より3か月ほど遅れたため、平成24年度中に調査協力機関に報告書を配布することが出来ず、平成25年度に持ち越すことになった。
2.SMARPP実施の医療機関での介入研究
研究代表者が参与観察のために訪問している医療機関で、分担研究者の松本氏を講師として招きSMARPPの実践を含めた研修会を実施した。実施にあたっては、薬物依存症の当事者活動団体ダルクの職員や利用者の協力を得て行った。参加者は医師、看護師、PSW、心理士等50名程であった。その結果、SMARPPを担当しているスタッフから非常の参考になったという言葉を聞くと共に、その後の参与観察では、司会を担当するスッタフがミーティングを進める際にテキストにある質問だけでなく、内容に関連する質問をするなどの様々な工夫をしながら実施する様子が観察された。以上の取り組みの成果は平成25年度のアルコール・薬物関連の学会で報告する準備を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1.研究の遅れについては1つとして、調査票による調査の実施が遅れたことである。これは以下の2つのことが関係する。
①所属期間の倫理審査委員会からの承認を得るまでに2か月半を要したため、調査開始が8月下旬以降となった。②調査の依頼を2段階に分けて実施したことにより、第1段階目の調査依頼に対する回答が得られるのに1ケ月以上かかったことに加え、調査対象となった全施設の調査票の配布に1ケ月かかった。
2.この他、質的データの分析に多くの時間を要したことである。
このことに関しては、180名程の自由記載の質的データの内容分析にあたって、内容を十分に理解したうえで分類整理したために多くの時間を要した。また分類にあたっても信頼性や妥当性を高めるために分類方法を吟味したため、分類の方法を決定をするまでに多くの時間を必要とした。さらには、分類やカテゴリー化については、研究代表者が実施した物を分担研究者や研究協力者も確認する等、複数の研究者によって妥当性が確認したことでも多くの時間が必要であった。
以上の経過を受けて、調査によって得ることができたデータとその分析結果は、平成25年度の課題であるSMARPPの実践ガイドの作成のための資料として使用することができる物である。
3.25年度は早期に他の業務との調整を図ることが必要である。調査の開始およびデータの回収と解析作業の遅れ等は、計画遅れに大きく影響したが、この他に教育にかかわる業務が多くなる時期と、解析作業の時期が重なったことも作業の遅れを招いたことに関係した。25年度においては他の業務との調整を出来るだけ早期に行い、短期ごとに作業計画を立て研究活動を取り組みたい。

Strategy for Future Research Activity

1.SMARPPの実践機関での継続的な参与観察及び、それ以外の機関で行われているSMARPPの実践場面への参与観察
・調査票による調査だけでは把握することができない各医療機関でのSMARPPの実施状況について、可能な限り実施機関への参与観察を行い。SMARPPの実践における問題点や課題の把握に努めるようにする。
2.実態調査に基づいたSMARPPの実践における課題の明確化と実践ガイドの作成作業を以下の点にポイントを置き行う。①これまでアルコール・薬物依存症者の治療にかかわる機会がなかったスタッフの依存症治療にかかわることの抵抗感の軽減に焦点を当て、Q&A方式を取り入れた説明形式。②アルコール・薬物依存症にかかわる用語や当事者活動についての解説、③対応困難なケースへの対応に関する情報提供
3.実践ガイドの活用による成果を訪問調査
・平成25年度の前半で実践ガイドブックの試作品を作成し各施設に配布する。試作品に対する評価をアンケート調査により行い、改善点を明らかにする。この結果を受けて、医療機関でのSMARPPを実践するにあたり有用なガイドブックの作成を計画する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

1.SMARPPの実践機関での継続的な参与観察及び、それ以外の機関で行われているSMARPPの実践場面への参与観察のため、以下の条件の対象への調査を実施するための費用
①調査票で参与観察の受け入れを承諾した施設のうち、研究者が参与観察の目的で定期的な訪問が可能な施設出向く為に必要な交通費、②定期的な訪問調査はできないが、特徴的な取り組みを行ている施設に対して、SMARPPの実施状況を把握する目的で訪問するための調査費用、③SMARPPの実践に関する研究発表が行われる学会での、実施状況に関する情報収集のための学会参加費用
2.SMARPPの効果的な実践をのためのガイドブック作成と配布のための費用として、ガイドブック作成に必要な印刷費や製本費用、各医療機関へ配布するための送料や諸費用
3.本研究の研究成果について学会発表の準備と学会参加のための費用。及び学学会誌への投稿に必要な費用

  • Research Products

    (10 results)

All 2012 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (7 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 薬物依存症に対する新たな治療プログラム「SMARPP」」: 司法・医療・地域における継続した支援体制の構築を目指して2012

    • Author(s)
      松本俊彦
    • Journal Title

      精神医学

      Volume: 54 Pages: 1103-1110

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 心神喪失者等医療観察法における物質使用障害治療プログラムの開発と効果2012

    • Author(s)
      今村扶美, 松本俊彦, 小林桜児, 和田 清
    • Journal Title

      精神医学

      Volume: 54 Pages: 921-930

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Reliability and validity of the Japanese version of the drug and drug problems perception questionnaire2012

    • Author(s)
      Ayumi T, Norito K, Yuki M, Toshihiko M
    • Organizer
      16th Congress of International Society for Biomedical Research on Alcoholism
    • Place of Presentation
      Sapporo
    • Year and Date
      20120909-20120912
  • [Presentation] 司法関連施設における薬物依存離脱指導の効果に関する研究(2):女性の薬物乱用者を対象とした介入2012

    • Author(s)
      今村扶美,松本俊彦,小林桜児,和田清
    • Organizer
      平成24年度アルコール・薬物依存関連学会合同学術総会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      20120907-20120909
  • [Presentation] 物質使用障害患者に対する認知行動療法プログラムを実施する医療従事者の態度の変化2012

    • Author(s)
      高野歩,川上憲人,宮本有紀,松本俊彦
    • Organizer
      平成24年度アルコール・薬物依存関連学会合同学術総会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      20120907-20120909
  • [Presentation] 在日外国人女性薬物依存症患者に対するSMARPP-Jr.を用いた個別依存症教育プログラムの試み2012

    • Author(s)
      若林朝子, 小林桜児, 竹田典子, 今村扶美, 松本俊彦
    • Organizer
      平成24年度アルコール・薬物依存関連学会合同学術総会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      20120907-20120909
  • [Presentation] 治療共同体認定アディクションカウンセラー講座の有効性について2012

    • Author(s)
      矢澤祐史、高野歩、松本俊彦、スコット・ジョンソン
    • Organizer
      平成24年度アルコール・薬物依存関連学会合同学術総会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      20120907-20120909
  • [Presentation] 誰にでもできる薬物依存症治療. シンポジウム23 薬物依存症臨床における倫理~医療の立場と司法の立場

    • Author(s)
      松本俊彦
    • Organizer
      第108回日本精神神経学会学術総会
    • Place of Presentation
      札幌
  • [Presentation] 薬物依存の基礎から臨床、そして日常診療との関わりについて. シンポジウム38 認知行動療法を取り入れた包括的外来治療プログラムの必要性

    • Author(s)
      松本俊彦
    • Organizer
      第108回日本精神神経学会学術総会
    • Place of Presentation
      札幌
  • [Book] IV. 薬物関連精神障害の治療のプロセスと選択肢. 6. ワークブックを用いたグループ治療プログラムの実際. 日本精神科救急学会編 精神科救急医療ガイドライン: 規制薬物関連精神障害 2011年版2012

    • Author(s)
      松本俊彦
    • Total Pages
      pp80-86
    • Publisher
      へるす出版

URL: 

Published: 2014-07-24  

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