2014 Fiscal Year Annual Research Report
男性の育児参加を促進する家族から社会へのアプローチに関する研究
Project/Area Number |
24500890
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久保 桂子 千葉大学, 教育学部, 教授 (80234475)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 共働き夫婦 / 夫の家事・育児参加 / 職場環境 / 仕事と家庭生活の葛藤 |
Outline of Annual Research Achievements |
男性の育児参加を促進する家庭からの夫の職場への働きかけについて検討するために、先行研究をもとに、共働き夫婦の夫の家庭生活への関与を妨げる夫の職場の状況についてまとめ、その内容は、『千葉大学教育学部研究紀要』 (62巻、2014.3)に掲載した。そして平成24年度~26年度の科学研究費を用いて、平成25年11月に「子育てと仕事の両立に関する調査」を実施し、その結果は、「共働き夫婦の夫の職場環境と妻の仕事と家庭生活との葛藤」の題目で、(社)日本家政学会第66回大会(2014年5月)において報告した。さらに、「保育園児を持つ母親の仕事と子育ての葛藤」のタイトルで調査結果を論文としてまとめ、『千葉大学教育学部研究紀要』(第63巻、2015.3)に掲載した。平成25年調査は家族票,母親票,父親票を組にして2,119世帯に配布し,回収は1,118世帯分であった(回収率52.8%)。有効票は1,099世帯分(有効票51.9%)であり,1,099票を集計に用いた。母親票は1,087票,父親票は941票である。主要な結果について『子育てと仕事の両立に関する調査報告書』としてまとめ、2015年3月に刊行し、調査協力関係者に配布した。先行研究をもとに、妻の夫への家事・育児参加への働きかけが、夫の職場環境を改善する要因になるか否かを検討した結果、仮説とは反対の因果関係が認められた。夫の家事・育児参加が低い場合のほうが、妻から夫への要求が強く行われており、夫の育児参加が低い場合妻の要求が高まり、妻の要求が高いことが夫の家事・育児参加を積極的にさせる関係は認められなかった。この因果関係については、さらに分析を続ける予定である。
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Research Products
(4 results)