2013 Fiscal Year Research-status Report
群馬県前橋市における局地風”空っ風”が衣服の着装行動に及ぼす影響
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24500920
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
前田 亜紀子 群馬大学, 教育学部, 准教授 (00286692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 和彦 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (00145161)
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Keywords | 風雨 / 体温調節 / 透湿性防水素材 / WCI / 衣服 / 撮影法 |
Research Abstract |
平成25年3月を含めた前半期(4月~9月)において、衣服内気候に及ぼす風の影響について観察するため2種の被験者実験を実施した。 実験1では、成人女性10名を被験者とした。相対湿度50%一定にて気温(20、25、30℃)、2種の内衣、外衣透湿性の有無、外衣開口部の開閉、外衣着用の有無を組み合わせ、異なる風速(無風、0.3、1.2、2.1m/s)に暴露し、皮膚温および衣服内気候への影響について観察した。開口部を開放し、かつ風速が高い場合、衣服内気候値は胸部では低下したが、鼠径部への影響は僅かであった。外衣非着用時では着用時に比べ、風の影響が大きいことを確認した。 実験2では、成人女子のべ19名を被験者とし、異なる気温、衣服、風雨の組み合わせが体温調節に及ぼす影響について観察した。気温24℃ではTシャツ短パンの他、透湿性防水雨衣を着用した(24TP)。気温30℃では雨衣なしとした(30T)。被験者は弱風(1.0m/sec)、強風(4.3m/s)、弱風+雨、強風+雨に曝露された。風のみへの暴露では、平均皮膚温は維持されるが、雨が加わると、特に30Tにおいて著しい皮膚温低下と寒冷感がもたらされた。 後半期(10月~3月)においては、前橋における気象観察と風が衣服の着装に及ぼす影響を観察した。気象観測は群大荒牧キャンパスB棟屋上に設置した測器で、気温、湿度、風向、風速、気圧、降雨を10分毎に記録した。ビデオカメラで撮影した冬季の衣服の着装は寒冷環境下における温熱評価指標であるWCI(風冷指数)と高い相関が認められ、小物類の増減が強く反映されていることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度導入した各種機器の選定が妥当であったことから、季節風(局地風)の気象観測が正確に取得できた。また、自然風の代わりとなる送風機の風の特性を把握することができ、シミュレーション実験が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
衣服内気候に及ぼす風の影響について、春夏期以外の秋冬期の実施を検討している。しかしながら被験者実験は、春夏期とは比べものにならないほど寒冷曝露であるため、寒冷風の影響にとどめざるおえないだろうと予想する。 また、気象観察と衣服の着装の関係について、冬季以外の強風日における特徴の抽出を行いたい。風は暑熱下では涼しさをもたらすことから、盛夏における風の影響が衣服の着装に及ぼす影響を明らかにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者(山崎和彦)において科研費を採択され、平成25年度は分担者が自身の研究への比重を増すことになったため、分担金を配分しなかった。それにより未使用額が生じた。 風がおよぼす身体のふらつきや衣服のはためきを捉えるための装置購入(H27年度購入物品の前倒し購入も含)にあてたい。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 衣服内気候に及ぼす風の影響2013
Author(s)
前田亜紀子, 永倉由貴, 長島佑依果, 松田紗織里, 大久保千穂, 山崎和彦
Organizer
日本生理人類学会第68回大会
Place of Presentation
金沢大学
Year and Date
20130608-20130609