2014 Fiscal Year Research-status Report
都市街区における路地空間の利用と空間的効果に関する研究
Project/Area Number |
24500929
|
Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
金子 友美 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (80204569)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | オープンスペース / 都市街区 / 路地空間 / 中庭 / 計画手法 / 建築計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は8月28日から9月5日の8日間オランダ・イタリアにおいて現地調査を実施した。【ライデンの中庭空間(9事例)】ライデンでは街区を形成している連続住宅の中庭空間を対象として調査を実施した。周囲の住戸入口はこの中庭に面しており、植栽やベンチなどが整備されているものが多数見られた。平面形態としては単一の中庭空間からなるもの、複数の広がりのある空間が複合的につながるものなどが観察された。【アムステルダムの路地空間(10事例)】同心円状の運河に沿った大通りを結ぶ路地空間が対象である。古い町並みが残り住戸の入口が面し、その周囲の住民の共有空間として機能している事例もあれば、大型商業施設の背面となり無機質な壁だけが続くものなどがあった。【ヴェネツィア(19事例)】平成26年度調査においてはコルテ(中庭)の名称を持つ空間を中心に調査を実施した。商業施設の一部として活用されている空間もあれば、周囲の住民のための空間となっているもの、広がりのある中庭空間となっているもの、入り組んだ路地状の空間となっているものなどがあった。 平成24年度から26年度まで計4回の海外調査で、ヨーロッパの15都市の事例データを収集することができた。これらは施設化された商業空間であったり、集合住宅の中庭であったり、あるいは抜け道としての性格が強いものであったりと様々な種類の空間が含まれる。平面形態も多彩である。本研究の目的は、都市のオープンスペースが果たす役割と効果について、現状空間の評価を通して明らかにすることである。これらの多彩な空間から見いだされる路地空間の空間概念が都市のオープンスペースの計画手法の一助となることが期待される。平成27年度は平成26年度に引き続き調査結果から作図・構成要素の抽出・記述を作成し、分析の基礎資料となるデータベース作成作業を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度から26年度まで計4回の海外調査を実施し、ヨーロッパの15都市の事例データを収集することができた。本研究の目的は、都市のオープンスペースが果たす役割と効果について、現状空間の評価を通して明らかにすることである。現在は後半2回分の調査事例についての作図、まとめを行っている段階である。なお当初は平成26年度までで本研究は終了予定であったが、調査実施後の作図等まとめ作業に予想以上に時間がかり、平成27年度も本研究の延長を申請し承認された。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、計4回の調査結果をまとめるとともに、その結果をweb上に公開したいと考えている。
|
Causes of Carryover |
平成26年度に研究のまとめを行い、調査結果をもとにwebページを作成し公開する予定であったが、同年春季および夏季実施調査のまとめ作業に予想以上に時間がかかり作業が遅れてしまった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
webページ作成(構成)は専門業者に委託し、現時点での残額はほぼ全額このwebページ作成費用に充てることとしたい。
|
Research Products
(1 results)