2014 Fiscal Year Annual Research Report
酵素を用いた調理によるテクスチャー改善の試みとその高齢者向け食品開発への応用
Project/Area Number |
24500951
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
舟木 淳子 福岡女子大学, 人間環境学研究科, 准教授 (60219079)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | テクスチャー / 酵素 / プロテアーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、咀嚼・嚥下困難者が増加する超高齢社会にあっても誰もがおいしく食べられることを目指し、これを実現するために必要な調理方法を示すことを目的とした。そのための基礎的調理データとして、タンパク質を多く含有する食品のテクスチャーを、プロテアーゼを用いることによりやわらかくなめらかなものにすることができることを示すことを試みた。 最初に、タンパク質ゲルに対するプロテアーゼの影響の概要の把握を行った。タンパク質ゲル(豆腐など)に市販プロテアーゼ製剤を作用させたところ、やわらかいテクスチャーのゲルを得た。各種酵素反応条件を試みて、最適条件を得た。 プロテアーゼを作用させた豆腐は、外観は対照とほとんど違いがなかったが、クリープメータによる破断強度解析やクリープ解析により、やわらかくなめらかでのびがある状態であることが示された。ゲルの構造の変化を走査電子顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ、対照との間に組織構造に差が認められた。これはタンパク質のネットワーク構造が切断されたためと考えられた。またSDS-PAGEによりタンパク質の分解が観察された。 さらに他の大豆加工食品等へのプロテアーゼ処理によるテクスチャー変化の応用を試みた。凍り豆腐は高齢者にとっては食べにくい食品とされているが、やわらかく改変することができた。また、油揚げについても軟化させることができた。 様々な調理へのニーズに対応することが可能になるようにするため、プロテアーゼ処理方法等の検討を行った。プロテアーゼ溶液に浸漬する方法以外に、注射器等で注入する方法等も有効であることが認められた。また、食品の応用範囲を広めることを試みたところ、大豆加工食品以外にも適用が可能であり、高齢者などの咀嚼・嚥下困難者用食品への応用が可能であると考えられた。
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Research Products
(2 results)