2012 Fiscal Year Research-status Report
ジャガイモの品種による物理化学的特性と食味におよぼす要因に関する研究
Project/Area Number |
24500959
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
後藤 昌弘 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (20244775)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ジャガイモ / 品種 / 調理方法 / 官能検査 |
Research Abstract |
研究に用いるジャガイモは産地,品種,収穫期等が明らかなものを用いる必要があることから,平成24年8月に北海道農業研究センター(芽室町)を訪問し,試験場で栽培されているジャガイモの供与を受け,共同で研究を進めることとした。10月~11月に10品種のジャガイモの提供を受け,食味評価法や調理に関する予備試験を実施した。 平成24年11月と平成25年4月に同研究センターで収穫された男爵薯,メークイン,トヨシロ,はるか,ピルカを入手した。これらの品種のジャガイモを用いて蒸す(スチームコンベクションオーブン),ゆでる,揚げる(小型フライヤー),電子レンジの4種の加熱を行い,加熱法ごとに官能検査を行った。官能検査は,外観,色,甘さ,香り,硬さ,おいしさ等の項目について,本学学生や教職員をパネルとして評点法及び順位法などの手法により実施した。なお,官能検査は神戸女子大学ヒト研究倫理委員会の承認の元に実施した。 また,ジャガイモの化学成分のうち味に関連すると考えられる遊離糖及びアミノ酸含量,食感に関連すると考えられるペクチン物質含量についての調査を行うため,加熱前と加熱後のジャガイモについて分析用試料の抽出を行った。 現在は,官能検査結果の集計処理と蒸発型光散乱検出器を備えた高速液体クロマトグラフ(申請備品)を用いた遊離糖測定の予備実験を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
導入した高速液体クロマトグラフの分析条件の設定などの調整に時間を要してしまい,予備実験の開始が当初の予定よりやや遅れたこと,ならびに北海道産ジャガイモの収穫期は10から11月であるため、本実験開始そのものが遅くなった。 さらに,官能検査のパネルとなる学生が就職活動や学外実習で時間があわず,当初の計画と比べ一度に十分な数が確保できずに時間をあけて繰り返したため時間がかかったことなど計画よりもやや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に抽出した試料を用いて化学成分のうちアミロース・アミロペクチン比はヨウ素法,ペクチン物質含量は比色法,遊離糖はHPLC法,遊離アミノ酸はニンヒドリンによる比色法,フェノール物質含量はフォーリンチオカルトー法で調べる。また,官能検査結果と化学分析で得られた結果を多変量解析統計ソフト(申請備品)に入力し,主成分分析,因子分析等の手法で食味と成分の関連を調査する。 また,西日本産の馬鈴薯の育種を行っている長崎県農林技術開発センター園芸部門馬鈴薯研究室を平成25年5月に訪問し,北海道と同様に育種中の品種を含めて主要な品種の提供を受け,共同で研究を進めることとした。したがって,本年度前半は昨年度の北海道産の成分分析とともに西南暖地産ジャガイモについて同様な研究を進めていく予定である。 さらに後半には,北海道産ジャガイモを用いて前年度の追試験を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
北海道産ジャガイモの輸送経費として残していたが,実験等の遅れにより発送が4月となったため残金が発生した。この平成24年度残金は次年度経費の加算し,実験材料の輸送経費として使用する。 25年度の研究費は,西南暖地産の主産地である長崎県農林技術開発センター研究部門馬鈴薯研究室と連携するための打合せにともなう旅費,実験試料の産地(長崎および北海道)からの輸送経費,成分分析に使用する試薬や液体クロマトグラフカラム等の消耗品ヒトして使用する計画である。
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