2013 Fiscal Year Research-status Report
ジャガイモの品種による物理化学的特性と食味におよぼす要因に関する研究
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24500959
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
後藤 昌弘 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (20244775)
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Keywords | ジャガイモ / 加熱調理法 / 官能検査 |
Research Abstract |
北海道産ジャガイモ5品種(男爵薯,メークイン,トヨシロ,はるか,ピルカ)および長崎県産ジャガイモ5品種(ニシユタカ,デジマ,アイユタカ,サンジュウマル,西海31号)および品種登録前の育成系統(西海37号、西海40号)2種合計7品種・系統を試料として用いた。 それぞれの試料は「蒸す」,「ゆでる」,「電子レンジ」,「焼く」,「揚げる」の5種の方法で加熱調理した。産地ごとの加熱試料について北海道産は「男爵薯」,長崎県産は「ニシユタカ」を基準試料とし,色,香り,口あたり,甘み,苦み,おいしさ,総合評価の7項目について両極二点法による官能検査を行った。パネルは本学女子学生20名程度とした。また,加熱前および加熱後試料の還元糖含量をソモギネルソン法,アミノ酸含量をニンヒドリン法,フェノール物質含量をフォーリン・チオカルト法によって求めるとともに加熱後試料のテクスチャーの測定をレオロメーター(山電,RE2-3305B)で行った。 官能検査では,北海道産「メークイン」および「はるか」では加熱法による差はみられなかった。「トヨシロ」は揚げ加熱の評価が高かった。「ピルカ」は黄肉のため色の評価が高かった。長崎県産「アイユタカ」は蒸し加熱で他の品種に比べ色の評価、総合評価が高かった。「サンジュウマル」は加熱法による差はみられなかった。「西海31号」は赤肉で全ての加熱法で色の評価が低かった。「西海37号」は「電子レンジ加熱」で色の評価が高かった。「西海40号」は「電子レンジ加熱を」除くと標準試料に比べ、口当たりの評価が高かった。化学成分では,「デジマ」,「西海37号」の揚げ加熱で還元糖含量が高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
官能検査に関しては概ね予定どおり進んでいるが,化学成分の分析が,測定項目が多く,時間がかかるいことと試料数が多いためやや遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度と同様に,北海道産及び長崎県産ジャガイモを入手し,官能検査および成分分析を実施し,これらの変化の年度による異なりを調査する予定である。 また,前年度までの結果を総合して,多変量解析を実施する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月に北海道産貯蔵試料を入手し,実験を実施するため,輸送費及び消耗品購入を予定していた。しかし,当該時期に重なり,長崎県産春作ジャガイモの食味等の評価依頼があったため,こちらを優先し,北海道産を4月以降に実施することとしたため。 北海道産貯蔵試料の入手と分析を実施した後,本年度計画を予定どおり実施する。また,日本家政学会第66回大会での発表および産地試験場との連絡調整を現地にて行う予定としている。
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Research Products
(2 results)