2013 Fiscal Year Research-status Report
ゴマリグナンセサミノールの新規高純度調製法の確立と脂質代謝改善効果の機序解明
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24500980
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
西園 祥子 崇城大学, 生物生命学部, 准教授 (40336970)
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Keywords | ゴマリグナン / セサミノール / セサミン / 脂質代謝 / 抗酸化活性 |
Research Abstract |
セサミノールはゴマに含まれるリグナンの一種であり、脂質代謝改善作用等が報告されているセサミンに水酸基が1分子付加された構造を有する。本研究では、高純度セサミノールの調製法を確立し、その機能性および作用メカニズムを明らかにしている。平成25年度は、高純度セサミノール配糖体、セサミノールアグリコンならびにセサミンの抗酸化活性を比較するために、DPPHラジカル消去活性を指標に測定した。その結果、セサミンには抗酸化活性が認められなかったが、セサミノール配糖体ならびにセサミノールアグリコンは、1モル当たりほぼ同程度のDPPHラジカル消去活性が観察された。 ゴマ搾油粕を発酵させ調製したセサミノール高含有サンプルをHPLCにより分析したところ、セサミノールアグリコンは立体構造の違いにより3種が検出された。ゴマリグナンの抗酸化活性をHPLCによりオンライン分析したところ、セサミノールアグリコン、セサミンおよびセサモリンの検出時間に抗酸化活性ピークが得られた。オンラインによる各リグナン類の抗酸化活性と分取したリグナン類の抗酸化活性では、高い相関が得られた。 さらに、脂質代謝に関与するリパーゼ阻害活性をセサミノール配糖体ならびにセサミノールアグリコンで比較するために、測定方法の確立を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までのところ、これまで明らかになっていなかった立体構造の異なるセサミノールアグリコンの抗酸化活性を調べた。また、構造の類似するセサミンとの違いについても明らかにした。セサミノール配糖体は、セサミノールアグリコンに加水分解された後に吸収される可能性が高いこと、さらにはさまざまな機能性が報告されているセサミンと構造が類似しているにも関わらず、セサミンは生体内でセサミノールには変換されないことから、セサミノールアグリコンの機能性を明らかにすることは新規性が高いと考えられる。また、得られた結果については特許出願を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、検出しているセサミノールアグリコンやセサミンについて、LC-MSを用いて物質の同定を行う。さらに、リパーゼ阻害活性の測定方法を確立し、HPLCで検出したピーク毎に比較する。また、大量調製した高純度セサミノールアグリコンサンプルをラットに投与し、油脂負荷試験を行い、リパーゼ阻害活性との相関を検討する。高いリパーゼ阻害活性の得られたセサミノールアグリコンについては、マウスに摂食させ、脂質代謝に及ぼす影響について再確認する。動物実験に関しては、崇城大学の動物実験倫理委員会の承認が得られたことから、遂行可能な状況である。
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