2014 Fiscal Year Annual Research Report
植物由来食成分(フィトケミカル)の乳癌及び大腸癌に対する抗癌作用の機序解析
Project/Area Number |
24501020
|
Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
中野 修治 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (40164248)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹嶋 美夏子 中村学園大学, 栄養科学部, 講師 (00241183)
小野 美咲 中村学園大学, 栄養科学部, 助教 (10441726)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 制がん効果 / フィトケミカル / 一次予防 / 乳癌 / 大腸癌 / 増殖制御 / アポトーシス / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は今までの研究で、クルクミン、リコペン、ノビレチン、カテキンなどのフィトケミカルの乳癌抑制の分子機序を明らかにしてきた。本年度は乳癌のサブタイプ別にリコペンおよびノビレチンについて、その制がん効果の作用機序を解析した。リコペンおよびノビレチンはとくに標準治療の確立していないトリプルネガティブ乳癌細胞に対し、強力な細胞増殖抑制・アポトーシス誘導効果を示した。リコペンは細胞周期をG1 期に停止させ、Baxを誘導することで制がん効果を発揮し(Cancer Sci. 2014; 105: 252-7)、またノビレチンはERK の抑制を介して細胞周期をG1 期に停止させ、Bcl-xL を抑制することでアポトーシスを誘導することを報告した(Anticancer Res. 2014;34:1785-92)。このように抗腫瘍効果の分子メカニズムはフィトケミカルによって異なることが明らかになった。さらに興味あることに、これらのフィトケミカルはmTOR やPARP(Poly ADP Ribose Polymerase)に対しても阻害効果があることが確認されている。さらにリコペンの乳癌発症抑制効果を検討するために、EMS誘発乳癌モデルラットを使用し、0.004%リコペンを飼料に添加して投与すると、非添加群が腺癌を発症するのに比べ、添加群では6割以上が嚢胞状腺腫を形成した。このことはリコペンは癌発生を抑え腺腫にとどめる働きがあることが示唆された。またレスベラトロールよりもBioavailabilityの高いメチル化レスベラトロールは、リコペンと同様にトリプルネガティブ乳癌細胞に効果があり、細胞周期をG1 期に停止させAKT-mTORを抑制することが分かった。最近、トリプルネガティブ乳癌の新しい分子標的としてmTORやPARPが注目されており、リコペンなどのフィトケミカルは乳癌予防とともに治療にも有用である可能性が示唆された。
|
Research Products
(22 results)
-
-
-
[Journal Article] Discontinuation of leisure time impact-loading exercise is related to reduction of a calcaneus quantitative ultrasound parameter in young adult Japanese females: a 3-year follow-up study2014
Author(s)
Nakazono E, Miyazaki H, Abe S, Imai K, Masuda T, Iwamoto M, Moriguchi R, Ueno H, Ono M, Yazumi K, Moriyama K, Nakano S, Tsuda H
-
Journal Title
Osteoporos Int.
Volume: 25
Pages: 485-495
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 肥満中年女性におけるゆるやかな減量の効果2014
Author(s)
五郎丸瞭子, 岩本昌子, 中尾晶子, 宮崎瞳, 今井克己, 阿部志麿子, 森口里利子, 津田博子, 中園栄里, 小野美咲, 上野宏美, 中野修治
Organizer
第61回日本栄養改善学会学術総会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2014-08-21 – 2014-08-21
-
-
[Presentation] 卒業10年後の健診結果に影響を及ぼす大学在学時の食事因子―卒後追跡調査から―2014
Author(s)
上野宏美, 宮崎瞳, 今井克己, 阿部志磨子, 増田隆, 森口里利子, 津田博子, 岩本昌子, 中園栄里, 小野美咲, 森山耕成, 大部正代, 大無田恵美, 岩本華奈, 五郎丸瞭子, 中野修治
Organizer
第68回日本栄養・食糧学会大会
Place of Presentation
札幌
Year and Date
2014-06-01 – 2014-06-01
-
-
-
-
-
-
-