2013 Fiscal Year Research-status Report
空気電池を活用した酸素センサキットの構築と新しい展開研究
Project/Area Number |
24501117
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
高橋 三男 東京工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40197182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 博貴 東京工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (30300544)
柚賀 正光 東京工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40123997)
川島 徳道 環太平洋大学, 教育学部, 教授 (90112888)
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Keywords | 酸素センサ / 空気電池 / 酸素 / 手作り酸素センサ / 酸素センサキット / 呼気 / 光合成 / 高橋式酸素センサ |
Research Abstract |
本研究は、補聴器などで一般的に使われている空気電池を利用して、初等中等理科教育の教育現場で実践的に使える酸素センサを開発した。空気電池に付いている酸素遮断のためのシールを外して1分間待ち、空気電池を可変抵抗が付いた開発ホルダーにセットしてから1時間待待つ。測定値の表示にテスターを使用し、ホルダーに接続するだけで誰でも簡単に作製することができる。可変抵抗を20.9mVに合わせた値が20.9%の酸素濃度に対応するようにした。そのため測定値がそのまま酸素濃度として読むことができるなど、センサの取扱いが非常に簡単で小学生から大人まで扱うことができる。 空気電池式の酸素センサは、応答性にも優れ、何度も実験データを計測することができるため、酸素濃度が変化す自然現象の経時変化も簡単に計測可能である。さらにセンサのサイズが、コンパクトに設計しているのでペットボトルを計測用の容器としても使える。また、この酸素センサは、非常に安価で誰でも簡単に作製・操作できるため、数台の酸素センサを使って同時に多点計測も可能である。そのため酸素濃度分布も作ることができることから、新しい展開研究も可能である。今回の研究テーマである、「空気電池を活用した酸素センサキットの構築と新しい展開研究」の成果は、次の学会発表で行った。 ①光合成の実践として“思考力育成を目指した光合成学習”日本理科教育学会全国大会論文集 11H-201, 390,(2013) 平成25年8月11日。②視覚障がい者理科教育の実践例として“視覚障がい児童生徒への酸素/二酸化炭素センサを用いた学習”日本理科教育学会全国大会論文集、11C-103, 329,(2013)、平成25年8月11日。③過酸化水素の分解反応の実践例として“高橋式酸素センサを使った理科教育における教材開発”日本理科教育学会全国大会論文集 10F-103, 187,(2013) 平成25年8月10日。今年度の実践例を報告する。以上
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究の目的」の達成度は、90%以上と自己評価している。今回開発した酸素センサは、センサとしての応答性に優れ、教育現場の授業を40分と仮定した時、ロウソクの消炎実験や人間の呼気の実験など、10分以内で実験結果をだすことができる。今年度は、小学校、中学校を重点的に酸素センサキットを広めて行くことが実施計画にあり、共同研究をしている中学校の先生から、光合成の実験で成果が飛躍的に上げることができた。日当たる場所と日陰の場所では、光合成による酸素の発生に明らかに違いが見らえることが検証できた。また、視覚障がい者の理科教育への活用として、酸素濃度の測定値を音声によて読み上げた点では、新しい展開研究として研究の成果として対応できたので当初の計画以上に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、 ①酸素センサキットを使った、理科教材として動物・植物の他に菌類に関わる酸素との関係を探究する。②酸素センサによって計測された酸素濃度を音声によって測定値を読み上げるキットを充実させる。③音声が日本語バージョンだけでなく英語バージョンも作製する。④気体の酸素だけでなく溶液中の酸素濃度を計測できるようにする。⑤酸素センサキットの教材をできるだけ集めて、実験書を作成する。日本語のマニュアルだけでなく英語のマニュアルも作成する。⑥現在、北海道、静岡県、富山県、新潟県の各教育センターで酸素センサを貸出を行って試験的に講習会等で使ってもらっている。今後、多くの都県の教育センターだけでなく小学校・中学校・高等学校の現場の先生方に酸素センサを貸し出し体験してもらい、酸素センサを実践的に活用してもらう回数を増やして行く方向である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者が、年度内に使用する物品費を購入した際の残額である。 引き続き物品費として使用する。
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