2013 Fiscal Year Research-status Report
クリエイティブ産業の高度職業専門人材育成のためのケース教材の研究開発
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24501132
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
助川 たかね 岡山県立大学, デザイン学部, 教授 (10440421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 史朗 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40422810)
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Keywords | ケース / 課題発見能力 / カリキュラム / 教授法 / クリエイティブ産業 / 建築・都市 / 高度職業専門人材 / 国際化 |
Research Abstract |
研究2年目にあたる本年度は、研究計画書で実施予定とした①~⑤の項目について、特に「⑤ ケース活用効果の検証」およびあらたに追加した「⑥ ケース教材の公開」を重点を置いて作業を進めた。 ⑤ 研究代表者および分担者による学内でのケース教材の活用である。試作段階のケースを非公開のミニケースとして、既存の公開ケース教材と併用した。対象としたのは、経営学系、社会学系、プレテーション系、建築・都市系の理論系科目であり、留学生向けの英語による講義科目も含まれる。各科目における評価の対象を、正解か否かではなく、理論や知識、経験などを総動員して解を見つけるまでの過程とし、その評価を数値化することで、「教え授けられる」から、「自ら学び考える」という学びのパラダイムシフトを起こすことができた。また、外部からの批判を受けることがほとんどない授業という閉鎖的空間に対し、学生の変化は教員を動かす大きな力となることが実証された。さらに、「少人数=効果的」という既成概念を覆し、多様な意見の飛び交う刺激にあふれる場所としての授業空間を創出することを目指し、かなりの程度、達成できた。 ⑥ 教材の公開に向けた作業である。国内での2大ケース出版機関での刊行も最終目標としているが、本年度は、分担研究者が、米国のケース教育でリーダー的存在である大学との共同研究を実施していたため、その環境を活かして、英語でケース教材を開発し、当該米国大学デザイン大学院でのWEB公開の準備も並行して進めた。代表研究者が現地大学に赴き、ケース先進国である米国で、建築・都市デザインやプロダクトデザイン分野で有効とされる教育用ケースに関する聞き取りをするとともに作成中のケースに関する指導を受けた。 このように、ケース教材の開発、米国での公開準備、試験的活用を同時に実施したことで、世界水準での教材開発を効率的に進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書で実施予定とした①~⑤の項目について、昨24年度は①~③、本25年年度は⑤および新たに追加した⑥について、継続課題はあるもののほぼ予定通りに進んでいる。 ① 産業界調査:24年度に実施で済みである。② デザイン教育実態調査:INSEADシンガポール校を除き24年度~25度実施済みであるが、未達分は26年度前半での達成が必須となる。③ 事例選択:24年度~25年度実施済みである。④ ケース開発:継続中であるが、聞き取り調査については25年度未達の部分もあり本26年度前半に達成が必須である。⑤ ケース活用効果の調査:25年度複数授業科目で実施した結果を基に26年度分析作業が必要となる。⑥ ケース教材の公開:25年度に追加した米国大学でのWEB公開も含め、国内外での公開準備を26年度中の公開に向けて継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
① 産業界調査:24年度実施済みだが、クリエイティブ産業という変化の早い業界を対象にしているため、追加調査は教材開発に合わせて必要となる。 ② デザイン教育実態調査:INSEADシンガポール校を除き24年度~25度実施済み。未達分は26年度前半での達成が必須であり、本科研費研究以前にまとめたデータ(有力大学のケース教材項目別データベース)に加えたかたちでの改訂版の作成が望ましいが、人的・時間的作業量が大きく年度を超えた作業となる可能性もある。 ③ 事例選択:24年度~25年度実施済みであるが、学内研究費で2年間実施した韓国の建築に関する事例調査も教材としての条件を兼ね備えており、ラインナップに加える予定である。 ④ ケース開発:継続中。聞き取り調査については25年度未達の部分もあり本26年度前半に達成が必須である。 ⑤ ケース活用効果の調査:25年度複数授業科目で実施した結果を基に26年度分析作業が必要となる。②と同じく、データベース化を目指す。 ⑥ ケース教材の公開:25年度に追加した米国大学でのWEB公開も含め、国内外での公開準備を26年度中の公開に向けて継続している。海外機関を発表の場に加えることで英語のケース教材も加わり、大学の国際化に向けた需要の高いケース教材を目指す、
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度途中で、経費の不足に備え、前倒し支払いを80万円請求したが、ほぼ全額に近い75万円が次年度使用額として残った。 上記の理由により、実際には、次年度の使用予定額に変更は4万円程度しか生じなかったため、特に使用計画を変更する必要はなくなった。
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