2014 Fiscal Year Annual Research Report
大学のプロジェクト型学習と非公式な学生の独自活動を繋ぐ学習環境のデザイン
Project/Area Number |
24501223
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
佐藤 慎一 日本福祉大学, 国際福祉開発学部, 教授 (10410763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影戸 誠 日本福祉大学, 国際福祉開発学部, 教授 (50351086)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育工学 / ソーシャルメディア / Project Based Learning / ポートフォリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度には、正課で行われるプロジェクト型学習(PBL: Project Based Learning)を継続的に実践する中で得られた知見から、学生同士の自発的な学習(非公式な学習)を誘発することを意図した学習環境をデザインし、ゼミやフィールドワークなどの活動においても、同環境を活用すべく準備を行った。ゼミ・フィールドワークでは、少人数で学生の主体的な取り組みがより求められるという側面もあるため、教員による支援に依存せず、学生(協働学習相手の他校学生を含む)間の相互支援(ピアサポート)により、学習成果を深めていくことを狙いの1つとした。 デザインした学習環境および活用のためのガイドラインに従い、学生たちが自律的に取り組みながらオンライン協働作業のプロセスを蓄積し、これらデータを用いて学生個々人が自らのポートフォリオをまとめあげるという一連の活動を一定レベルで実施することができたと考えている。作成されたeポートフォリオの相互評価や改訂をすることで、学習成果を高めていくことに活用できることが期待され、今後は、制作後の活動にも焦点をあてていく必要があると思われる。 本年度の実践から、今後は、グループの状況や学生の個性に応じた教員の支援の必要性も示唆された。協働学習の実践時には、学生間のオンラインコミュニケーションの状況には質的な違いがあり、目的に向けて着実な活動は行われているものの、議論が表面的なものに留まっていると思われるグループが見受けられた。これらの活動状況の違いを分析したところ、活動内容そのものよりも、オンラインで協働すべきグループメンバーとの関係構築の段階で課題があるという仮説を持つに至った。本研究を通じて見出された新たな課題であり、関連分野の先行研究による知見も踏まえて、詳細な理由と取りうる対策について今後も検討していきたいと考えている。
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