2014 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いた水浸出土木材の内部性状の可視化に関する基礎的研究
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24501264
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Research Institution | (財)元興寺文化財研究所 |
Principal Investigator |
山田 哲也 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (80261212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 直見 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10193806)
大国 万希子 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 技師 (40250352)
木戸 晶 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80595710)
藤本 晃司 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10580110)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水浸出土木材 / MRI / 保存処理 / ポリエチレングリコール / トレハロース |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度はこれまでの研究成果をまとめ、その研究成果報告をおこなった。水浸出土木材のMR画像から木材内部の水分分布に関する情報を得ることは、水浸出土木材の内部性状を把握するための非破壊診断法として有効的な手法であることと、針葉樹の水浸出土木材にポリエチレングリコール(PEG)溶液を含浸させて3D Field echo法を用いて撮像して、関心領域を設定した後にそれらの画像から磁化移動率(magnetic transfer ratio:MTR)およびその変化率ΔMTR(PEG(+) - PEG(-))を算出した結果、高分子物質に対して反応性のある磁化移動(magnetic transfer)効果からPEGの浸透性を評価できることを日本文化財科学会第31回大会や第42回日本磁気共鳴医学会で報告した。 こうした研究成果報告の他に昨年度に引き続き、水浸出土木材の内部構造をMRIで正確に描出するためにT1強調像やT2強調像などのコントラスト画像を適切に画像化するための撮像法と、T1値、T2値などの定量的指標を得るために適切な撮像条件のデータの蓄積をおこなった。 また、保存処理用の薬剤浸透プロセスの可視化の検討にも努めた。ポリエチレングリコールとトレハロースの各含浸濃度の浸透状態を一括で撮像できるように14分割した針葉樹の水浸出土木材試料を作製して、各薬剤濃度の浸透性を評価するために緩和時間変化を測定した。緩和時間測定は、T1計測はインバージョンリカバリ法、T2計測はスピンエコー法を用いて画像データを取得した。その後、試料に関心領域を設定のうえ、信号強度を測定して緩和時間を算出した。その算出した緩和時間勾配から、ポリエチレングリコール、トレハロースともに、T1を計測することで水浸出土木材内部の薬剤の含浸状態を把握することが可能であることがわかった。
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Research Products
(3 results)