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2013 Fiscal Year Research-status Report

日本の近世測量術のルーツとその近代測量への影響

Research Project

Project/Area Number 24501299
Research InstitutionKonan University

Principal Investigator

鳴海 邦匡  甲南大学, 文学部, 准教授 (00420414)

Keywords地図史 / 測量 / アメリカ議会図書館 / 近世 / 近代 / 古地図 / 海図
Research Abstract

平成25年度は、①近世における盤針術の展開、②近世における三角法による測量の展開、③近代測量にみる近世測量の影響という3つのテーマ毎に取り組むべき課題を設定し臨んだ。そのうち、②と③の課題は以下に示すようにほぼ予定通り作業を進めることができた。
②については、近世の城下町絵図の事例を素材に研究を進めた。幕末に作製された鳥取城下町絵図を素材にその測量技術の精度について分析を試みた。その成果については、出版物(『近世測量絵図のGIS分析』)として一般にも公表し、三角関数を活用した近世の測量技術について理解を深めた。また、そうして得られた知見を広く伝えるため、タブレット型PC(iPad、iPhone等)を活用した手法を採用し、他分野の研究者と協力しながらアプリを開発した(無料アプリ「鳥取こちずぶらり」として平成26年4月から配布開始)。また、そのアプリの作製過程で取り組んできた課題克服のための作業について、学会(地理情報システム学会)にて平成25年秋に報告した。
③については、東アジア沿岸部における19世紀の海図の作製状況というテーマを中心に検討を進めてきた。これに関連する調査として、アメリカ議会図書館、アメリカ国立公文書館、海の相談室(海洋情報部)等で調査を実施した。その成果の一部については、平成25年8月に国際学会(IGU Kyoto Conference)で報告することができた。その報告を通じ、東アジア沿岸の海図を当時作製した各国間の相互関係を理解することができた。また、米国での調査で得られた空中写真のデータの活用についても検討を実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究を開始するにあたり設定した目的は、近世日本における実測図の展開と近代以降のつながりを検討することであり、具体的には、上記で触れたように①近世における盤針術の展開、②近世における三角法による測量の展開、③近代測量にみる近世測量の影響の3つのテーマを設定している。
この3つのテーマのうち、②と③の課題は予定通り進んでいると考えている。そのうち②のテーマについては平成25年度に成果を一般に公開することができた。また、③のテーマについては、新たな研究テーマの構築につなげることができたと考えており、そのことから、東アジアの海図を中心に検討することとなった。
しかし、①の課題については取り組みが初年度から計画通り進んでいない。その大きな要因は他の②③のテーマが拡大し、その作業に終止したことによると考えている。今後の予定として、引き続きこの②③のテーマを中心に進めていく計画であることから、①のテーマの扱いについては再検討が必要と考えている。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の進め方は、①近世における盤針術の展開、②近世における三角法による測量の展開、③近代測量にみる近世測量の影響という3つのテーマ別に述べると次の通りである。
①では、当初の予定と比べて作業量を限る内容となるが、日本の近世に作成された都市図、特に大坂の都市図についての基礎調査を実施したいと考えている。近世の手描き大坂図はその全容が明らかになっておらず、その把握を進めたいと考えている。
②については、ほぼ目標の成果に達することができ、タブレット型PCを活用した公開のあり方を確立することができた。今後はそのさらなる展開と、この間検討してきたGISを援用した精度評価法の報告(論文化)を目指したいと考えている。
③では、これまでに続き、東アジアの海図の相互関係について、調査検討を進めることとする。その成果については、平成26年5月の学会(歴史地理学会)や秋の学会で報告し、平成26年度末頃を目処に成果をまとめる予定である。そのため地籍測量に関する調査分析は当初予定した内容よりも縮小または省略せざる得ないと考えている。また、そうした調査の基礎作業として、未だ全容が明らかでないアメリカ議会図書館に所蔵される日本関係地図の把握を進めたいと考えている。

  • Research Products

    (7 results)

All 2014 2013 Other

All Presentation (4 results) Book (2 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Japanese Mapping of East Asia in Relation with Nautical Charts Produced by Western Countries during the 19th Centur

    • Author(s)
      Kunitada NARUMI, Shigeru KOBAYASHI
    • Organizer
      IGU Kyoto Conference
    • Place of Presentation
      国立京都国際会館
  • [Presentation] 古地図とモバイル端末を用いた地域学習支援アプリケーション-近世後期の鳥取城下町を題材に-

    • Author(s)
      塚本章宏・柴田祐・来見田博基・高橋徹・鳴海邦匡
    • Organizer
      第22回地理情報システム学会
    • Place of Presentation
      慶應義塾大学
  • [Presentation] 古地図に描かれた阿蘇の湿田

    • Author(s)
      鳴海邦匡
    • Organizer
      シンポジウム「阿蘇カルデラの地域社会と宗教」(熊本大学拠点形成研究会)
    • Place of Presentation
      阿蘇青少年交流の家
  • [Presentation] U-2機撮影中国大陸空中写真の研究資料としての利用可能性と課題

    • Author(s)
      佐藤廉也・鳴海邦匡・小林茂
    • Organizer
      日本地理学会大会(2014年春季学術大会)
    • Place of Presentation
      国士舘大学
  • [Book] 近世測量術のGIS分析2014

    • Author(s)
      鳴海邦匡・平井松午・安里進・渡辺誠・礒永和貴・出田和久・小野寺淳・立岡裕士・田中耕市・塚本章宏・野積正吉・水田義一・溝口常俊・南出真助・渡辺理絵
    • Total Pages
      295(145-164)
    • Publisher
      古今書院
  • [Book] 人文地理学事典2013

    • Author(s)
      鳴海邦匡・野間晴雄・水内俊雄・山野正彦・荒井良雄・岡本耕平・田中和子・堤研二・藤井正・藤田裕嗣・村山祐司・山本健兒・青山宏夫・小野田一幸・小林茂・渡辺理絵・今里悟之・三好唯義・上杉和夫・米家泰作
    • Total Pages
      800(156ー157)
    • Publisher
      丸善出版
  • [Remarks] 鳥取県立博物館>お知らせ>まち歩き支援アプリ「鳥取こちずぶらり」を配信中です!

    • URL

      http://site5.tori-info.co.jp/p/museum/info/74/

URL: 

Published: 2015-05-28  

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