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2012 Fiscal Year Research-status Report

漢方薬が免疫制御系細胞群に与える影響~腫瘍ワクチン効果の増強を目指して

Research Project

Project/Area Number 24501335
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionNippon Medical School

Principal Investigator

高久 俊  日本医科大学, 医学部, 助教 (50445813)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords腫瘍免疫 / 漢方薬
Research Abstract

1. マウスへの漢方薬投与法について
漢方薬が腫瘍免疫に及ぼす影響についての研究を開始するにあたり、まずマウスへの漢方薬経口投与方法について検討した。経口投与時マウスにかかるストレス、実験者の手間、および漢方薬摂取量の定量化などを考慮した結果、漢方配合飼料を用いた経口投与が最善と考えられた。そこで漢方薬含有特別飼料を作成しBALB/cマウスに経口投与を試みたところ、漢方薬添加の有無にかかわらず平均して3-4g/日/マウスの安定した摂餌が確認された。以上から本研究においては漢方薬投与法として漢方配合飼料を用いることとした。
2. 漢方薬によるマウス腫瘍肺転移抑制効果の検討
マウス結腸癌CT26腫瘍肺転移モデルを用いて人参養栄湯の肺転移抑制効果を検討した。500,000個のCT26をBALB/cマウスに経静脈的に投与後14日目に肺転移数を評価した。マウスは2群に分け①対照(漢方非含有)飼料摂取群②人参養栄湯含有飼料摂取群とした。各飼料は腫瘍接種開始1週間前から接種後14日目まで連日投与とした。結果、人参養栄湯投与群で若干の肺転移抑制効果が認められた。ところでCT26肺転移モデルでは抗IL-13抗体投与で肺転移が抑制されること、および、IL-13自体はII型CD4+NKT細胞が産生していることが知られている。従って漢方薬でCT26の肺転移が抑制された場合、漢方投与マウスから採取したCD4+NKT細胞のIL-13産生量を知ることは重要である。ここでin vitroでのCD4+NKT細胞の刺激には、CD1d分子を介した腫瘍由来脂質抗原の認識が必要であるが、CT26はCD1d分子を発現していない。そこでCT26にCD1d分子を発現させるため同分子をリポフェクション法でトランスフェクションしたCT26-CD1d細胞を作成した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

①マウスへの漢方薬の投与が申請者にとって初めての試みであったため投与法の選択に予想以上に時間を費やしたこと。②実際に漢方含有特別飼料が完成するまでにかなりの時間を費やしたこと。すなわち本研究のためにツムラより比較的大量の漢方エキス粉末の無償譲渡を受けた後に、別業者に依頼して漢方含有特別飼料を作成したため実際に完成するまでに予想以上に時間を費やしたこと。③本研究で使用するマウス大腸癌細胞CT26を新たにATCCより購入したため細胞ストックの作成やin vivoでのマウスへの投与量の新たな設定などの予備実験が必要であったこと。④諸事情により研究活動へ割ける時間が予想以上に減ってしまったこと、などが挙げられる。

Strategy for Future Research Activity

1.マウス腫瘍肺転移モデルを用いた漢方薬による肺転移抑制メカニズムの解明
今年度の申請者の検討により人参養栄湯投与により若干の肺転移抑制効果が認められた。そこで今後、諸条件(腫瘍投与数、肺転移を腫瘍投与後どのタイミングで評価するか、など)を変えて詳細に検討し確実な有意差をもって肺転移が抑制されるポイントを見いだしたい。その後、本結果に基づき当初の計画通りに研究を進めていく。具体的には①実際に転移抑制に寄与するeffector細胞群 (CD8+ CTLあるいはNK細胞)の同定およびその質的量的変化の検討。②人参養栄湯が免疫制御系細胞群に与える影響を検討するため、CT26細胞の肺転移モデルで同定されたII型 CD4+NKT細胞-IL-13-myeloid suppresser細胞 (MDSC)-TGF-βからなる腫瘍免疫抑制経路に注目し、人参養栄湯投与担癌マウスにおけるMDSCのTGF-β産生量、CD4+ NKT細胞のIL-13産生量ならびにNKT細胞の存在しないCD1dKOマウスでの人参養栄湯の抗腫瘍効果を調べる予定である。
2.漢方薬と腫瘍ワクチン併用による原発腫瘍増殖抑制効果の検討
漢方薬を腫瘍ワクチンのアジュバントとして用いることで相乗的な抗腫瘍効果の増強が期待できるか否かを検討する。具体的には、X 線照射したCT26細胞をwhole cell vaccineとして用いた場合、経皮的に移植されたlive CT26細胞に対して、ある程度の抗腫瘍効果を示すことを利用し、人参養栄湯および十全大補湯経口投与が本vaccineの効果を増強するか否かで評価する。そして漢方薬併用によりワクチン効果増強が認められた場合、実際に直接的に腫瘍排除に働くeffector細胞群の同定 (CD8+ CTL細胞やNK細胞)ならびにその質的量的変化について評価する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

漢方含有特別飼料作成に予想以上に時間を費やしたため本格的な実験開始が遅れた。結果として予定していた実験が施行できず、今年度の研究費を一部次年度に繰り越すこととなった。繰り越した研究費は、次年度の研究費とあわせて、本研究を遂行するにあたり必要となる実験動物(マウス)、試薬薬品類、培地血清類、プラスチック器具、各種抗体、アイソトープ(51Crや3H)などの消耗品にその大半を充てる予定である。また、その一部を情報交換や学会での研究成果の公表に必要な出張経費に充填する予定である。

Research Products

(2 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Induction of apoptosis-resistant and TGF-beta-insensitive CD8(+) cytotoxic T lymphocytes specific for HIV-1 gp1602012

    • Author(s)
      Takaku, S., Nakagawa, Y., Owaki, A., Shimizu, M., Takahashi, M., Takahashi, H
    • Journal Title

      Cellular Immunology

      Volume: 280(2) Pages: 138-147

    • DOI

      10.1016/j.cellimm.2012.12.008.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Induction of apoptosis-resistant and TGF-b-insensitive murine CD8+ cytotoxic T lymphocytes specific for HIV-1 gp1602012

    • Author(s)
      Takaku, S., Nakagawa, Y., Owaki, A., Shimizu, M., Takahashi, M., Takahashi, H
    • Organizer
      第41回日本免疫学会総会
    • Place of Presentation
      神戸国際会議場
    • Year and Date
      20121205-20121207

URL: 

Published: 2014-07-24  

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