2012 Fiscal Year Research-status Report
PETによる固形がんの代謝特性解明:効果的診断法確立に向けての基礎研究
Project/Area Number |
24501348
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
古川 高子 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (00221557)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん / PET / 代謝 |
Research Abstract |
本研究は、複数の代謝を標的とするPET 薬剤の腫瘍への集積や腫瘍内分布を同一個体/腫瘤で比較し、これらの組み合わせによって固形癌がんの代謝の状態や性質についてどのような情報を取り出せるかを検討、生物学的理解を深めるとともに、予後予測や治療効果予測においてより有効なPET 診断の実現を目指している。 24年度は体内分布の検討を進めた。4種類のヒトがん細胞株(大腸がん由来HT29、肺がん由来H520、H441、膠芽腫由来U87MG)をマウスに移植し、PET薬剤またはPET薬剤の代替となる代謝基質のRI標識体の組み合わせとして,F-18標識FLTとC-14標識FDG、Acetate, Glutamine, F-18標識FDGとC-14標識Acetate, Glutamineを投与、γ線とβ線の差から2つのRI標識体を区別して放射能量を測定して、腫瘍への分布を比較した。また、このとき、細胞の移植時期を変えることで、腫瘍の成長の異なる2つの腫瘍での比較も試みた。 これらの標識体のうち、FLTでは他に比べ腫瘍細胞株による腫瘍集積の差が大きい傾向があった。HT29への集積が高く、また、腫瘍が小さく、増殖が盛んと考えられる時期に集積がより高い傾向があった。また、FLTとGlnやacetateの取り込みには正の相関が窺われたが,FLT と FDGには相関がなさそうだった。今後これらの傾向が有意なものであるかを確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデル動物(担がんマウス)の作製と短半減期放射性薬剤の供給のタイミングを合わせることが予想より困難であり、年度内に予定していた実験を終了することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1. RI標識体の体内分布についての検討 : 24年度中に検討できなかった腫瘍と標識体の組み合わせおよび実施匹数が不足している組み合わせについて体内分布の検討を終了させる。 2. RI標識体の腫瘍内分布についての検討 : 1の実験でえられるそれぞれの標識体の腫瘍への集積量から、適切な投与量を計算し、体内分布実験で比較した2つの半減期の異なる標識体の組み合わせで投与し、double tracer autoradiographyにより腫瘍内の分布を比較する。 3. RI標識体の腫瘍内分布と腫瘍内の環境についての検討 : 2の実験から、分布の大きく異なるRI標識体の組み合わせにしぼって、それぞれの標識体の分布の高い部位の特徴を免疫組織染色等の方法を用いて検討する. 4. RI標識体の腫瘍内分布と遺伝子発現についての検討 : 実験の進捗状況によっては26年度に持ち越す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に実験に必要な消耗品(RI試薬,一般試薬、動物等)の購入にあてる。 データの集積が不十分で現時点では学会発表が難しいため,旅費として予定していた額も消耗品に回す。 進捗状況が許せば、委託による遺伝子解析を行う。
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