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2013 Fiscal Year Research-status Report

糖転移酵素LARGEを用いたジストログリカンの機能亢進による新規癌治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 24501357
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

清水 輝夫  帝京大学, 医療技術学部, 教授 (00107666)

Keywords癌 / 糖鎖 / LARGE / ジストログリカン / ラミニン
Research Abstract

基底膜のラミニンと結合する膜表在性蛋白質のα-ジストログリカン(α-DG)は基底膜と細胞骨格を連携することで細胞膜を安定化し、細胞内外のシグナルトランスダクションに関与している。近年各種の癌においてα-DGの糖鎖修飾不全によりラミニン結合能をはじめとする機能低下が惹起されている事が見い出され注目を集めている。一方、糖転移酵素と考えられている蛋白質LARGEによりα-DGの糖鎖修飾が著明に亢進しその機能が増強する事が最近の研究から明らかとなった。本研究はこのLARGEの持つα-DGの機能亢進作用を利用した癌に対する新規治療法の開発を目指すものである。申請者らは予備実験においてHeLa細胞へLARGE遺伝子を安定発現させることでHeLa細胞の増殖性、浸潤性が大きく減弱することを見いだしている。平成25年度には同様の効果がマウスを用いたin vivoの系でも得られるかどうかを検討するための準備実験を行った。すなわち、ヌードマウスにHeLa細胞を移植してin vivoイメージングによりHeLa細胞の浸潤を観察するために、LARGEを安定発現するHeLa細胞株と野生型のHeLa細胞株に対してluciferase遺伝子を導入し安定発現細胞株を得た。現在これら細胞株をヌードマウスの皮下に接種してLARGE発現の有無でHeLa細胞の浸潤能に変化が生じるかどうかの検討を開始するところである。一方でLARGEが癌細胞以外の正常細胞に対してどのような作用を発揮するか検討するために、LARGEトランスジェニックマウスを用いて骨格筋に対する過剰発現の影響を調べた。この結果LARGEの過剰発現は急性および慢性の骨格筋損傷に際して筋再生を遅延させる作用を有することが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成24年度に開始した乳癌モデルマウスへのLARGE遺伝子導入による治療実験は順調に経過してはいるもののまだ最終的な結論には至っていない。またLARGEトランスジェニックマウスへの癌細胞移植実験に関しては、予定では既に開始しているべきものだがまだこれから開始予定である。これらの点を考慮してやや遅れていると評価した。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度、以下の実験計画を順次実施する。
①ヌードマウスへのLARGE発現HeLa細胞の移植実験 昨年度作製したLARGEおよびluciferaseの安定発現HeLa細胞(HeLa/LARGE(-)/luciferase(+)株とHeLa/LARGE(+)/luciferase(+)株)をヌードマウスへ移植する。そして癌細胞の増殖、浸潤の程度や転移の有無をluciferaseを用いたin vivvoイメージングにより比較検討する。
②LARGEトランスジェニックマウスへの癌細胞移植実験 LARGEトランスジェニックマウスと野生型マウスに癌細胞を移植して癌の増殖、浸潤、転移を比較観察する。癌細胞は野生型のHeLa細胞(HeLa/LARGE(-)/ luciferase(+)株)を使用する。先程と同様にluciferaseを用いたin vivvoイメージングにより検討を行う。同トランスジェニックマウスはα-DGのラミニン結合能の亢進により基底膜におけるラミニンの発現が増加しており癌浸潤に対して抵抗性に働くことが予想される。
③乳癌モデルマウスへのLARGE遺伝子導入による治療実験を継続する。
④LARGEによる癌抑制に関与するシグナル系の同定 α-DGのラミニン結合能が亢進することで細胞の外から中へ癌の制御に関わる何らかのシグナルが伝達される可能性が示唆されている。そのシグナルを明らかにすべくDNAマイクロアレイやリン酸化抗体アレイを用いて癌抑制に関与するシグナル系の同定を試みる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

購入を予定していた実験用試薬の納期が遅れたため。
実験用試薬を購入し、研究を遂行する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Overexpression of LARGE suppresses muscle regeneration via down-regulation of insulin-like growth factor 1 and aggravates muscular dystrophy in mice2014

    • Author(s)
      Saito F, Kanagawa M, Ikeda M, Hagiwara H, Masaki T, Ohkuma H, Shimizu T, Sonoo M, Toda T, Matsumura K.
    • Journal Title

      Hum Mol Genet

      Volume: in press Pages: in press

    • DOI

      10.1093

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 骨格筋特異的Fukutin欠損マウスに対するLARGEの過剰発現の影響

    • Author(s)
      斉藤史明,金川基,萩原宏毅,真先敏弘,池田美樹,清水輝夫,園生雅弘,戸田達史,松村喜一郎
    • Organizer
      第54回日本神経学会学術大会
    • Place of Presentation
      東京
  • [Presentation] レスベラトロールの先天性筋ジストロフィーモデルマウス対する効果の検討

    • Author(s)
      萩原宏毅,斉藤史明,真先敏弘,清水輝夫,松村喜一郎,園生雅弘
    • Organizer
      第54回日本神経学会学術大会
    • Place of Presentation
      東京

URL: 

Published: 2015-05-28  

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