2013 Fiscal Year Research-status Report
MET遺伝子増幅胃癌におけるMETチロシンキナーゼ阻害剤の抗腫瘍効果の解析
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24501360
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
岡本 渉 独立行政法人国立がん研究センター, 早期・探索臨床研究センター, 医員 (30441075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 和彦 近畿大学, 医学部, 教授 (40298964)
西尾 和人 近畿大学, 医学部, 教授 (10208134)
岡本 勇 九州大学, 大学病院, 研究員 (10411597)
荒尾 徳三 近畿大学, 医学部, 講師 (20441074)
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Keywords | 分子標的治療 |
Research Abstract |
MET受容体は多くの癌種で発現しており、有望な分子標的であると考えられる。我々は、MET遺伝子増幅陽性胃癌細胞において、METチロシンキナーゼ阻害剤がアポトーシスを引き起こすことによって著明な抗腫瘍効果を示すことを報告してきたが (Mol Cancer Ther. 2010; 9(5): 1188-97)、その分子メカニズムにMET抑制によるBimの発現上昇、Survivin, XIAP, c-IAP1発現低下が関与していることを示した (Mol Cancer Ther. 2012; 11(7): 1557-64.)。本知見は、MET遺伝子増幅陽性胃癌に対するMETキナーゼ阻害剤の開発におけるPOCとして意義深いと考えている。 また、病理診断・組織型診断に用いられた胃癌患者の手術・生検組織266検体を用いて解析を行なったところ、1.5%でMET遺伝子増幅を有することを示した(Oncotarget. 2013; 4(1): 9-17)。この結果は、本邦におけるMET阻害剤の臨床開発にあたっての有益な知見となるものと考えている。 現在、METキナーゼ阻害剤に感受性の高いMET遺伝子増幅陽性胃癌細胞株にMETチロシンキナーゼ阻害剤を長期暴露し、低濃度から長期間曝露させることにより、METチロシンキナーゼ阻害剤に対する獲得耐性モデルを作製した。本モデルは、METキナーゼ阻害剤が臨床応用された後に問題となることが想定される薬剤耐性のメカニズムを解析する上で大変重要であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初25、26年度に実施を計画していた「日本人におけるMET遺伝子増幅を有する胃癌の頻度に関する検討」は、24年度中に終了した。24年度に終了を予定していた「METチロシンキナーゼ阻害剤長期暴露による耐性株の樹立」は、25年度中に終了した。現在、25、26年度に実施を計画していた「METキナーゼ阻害剤耐性株における耐性メカニズムの解析と耐性克服の治療戦略の開発」に取り組んでいる。以上より総合して、前述のとおりの自己評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに作成したMETチロシンキナーゼ阻害剤に対する獲得耐性モデルを用いて、耐性機序の探索を引き続き行っていく。in vitroで耐性克服戦略の解明を目指し、その後、ヌードマウスを用いた in vivoで耐性克服が可能かどうか確認を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、24年度に終了を予定していた「METチロシンキナーゼ阻害剤長期暴露による耐性株の樹立」が25年度にずれ込んだため、25年度初めから開始予定であった獲得耐性のメカニズム解析計画が繰り越しとなったため。 METチロシンキナーゼ阻害剤の獲得耐性のメカニズム解析に使用する。
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Research Products
(1 results)