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2012 Fiscal Year Research-status Report

光学的手法を用いた植物プランクトンによる一次生産速度の連続測定

Research Project

Project/Area Number 24510015
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionThe University of Shiga Prefecture

Principal Investigator

後藤 直成  滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (40336722)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伴 修平  滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50238234)
石田 典子  名古屋女子大学, 文学部, 教授 (90191874)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords一次生産 / 植物プランクトン / クロロフィル蛍光
Research Abstract

本研究では、クロロフィル励起蛍光計および係留式光学測器(クロロフィル蛍光計、水中光量子計)を用いて琵琶湖北湖における植物プランクトンの一次生産速度を測定することを目標とした。このため、クロロフィル励起蛍光法とボトル培養法(酸素法)で得られた一次生産速度の結果を比較し、その有効性を評価した。続いて、上記測器のデータに基づいて琵琶湖北湖における一次生産速度を連続的に推定した。
2012年5月~12月(計7回)のSta. 4(水深48 m)にて3深度(5 m、10 m、15 m)から湖水を採取し、クロロフィル励起蛍光法と酸素法により一次生産速度を測定した。また、2012年4月17日から12月17日まで、クロロフィル蛍光計(3台)と水中光量子計(2台)をSta. 4に設置し、それらのデータをクロロフィル励起蛍光法による一次生産速度の推定に用いた。
その結果、酸素法による一次生産速度(PO2)は、1.27~4.45 g O2 m-2 d-1の範囲で変動した。クロロフィル励起蛍光法による一次生産速度(PCF)は、PO2とほぼ同様の季節的変動傾向を示し、1.28~4.66 g O2 m-2 d-1の範囲にあった。この期間におけるPO2とPCFとの間には顕著な高い正の相関関係が認められ、PCF/PO2比は0.91~1.31(平均1.09)の範囲で変動した。これらの結果から、クロロフィル励起蛍光法は酸素法とほぼ同様の精度で一次生産速度を測定できることが明らかとなった。
2012年4月17日~12月17日の期間に得られた各水深の光量子量とクロロフィルa濃度の連続データと光合成‐光曲線を用いて、この期間におけるPCFを連続的に算出した。その結果、PCFは0.28~6.59 g O2 m-2 d-1の範囲で、日射量に依存して日々大きく変動し、春期と夏期に高く、梅雨期と冬期に低くなる傾向を示した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

光学測器(パルス変調式クロロフィル励起蛍光計、クロロフィル蛍光計、水中光量子計)により算出した一次生産速度は、酸素法により測定した一次生産速度と非常に良い相関を示し、両者の値はほぼ一致した(2012年5月~12月まで7回の比較実験を実施)。また、 2012年4月17日~12月17日における一次生産速度を上記光学測器の測定値から連続的に算出した結果、植物プランクトンの一次生産速度は、日射量に大きく依存して、日々大きく変動していることが明らかとなった。これらの値は過去に琵琶湖北湖で報告されてきた植物プランクトンの一次生産速度の範囲内にあった。これらのことから、光学測器を使用することにより一次生産速度を連続的に推定できることが示された。よって、「概ね順調に進展している」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

本研究における最大の問題点は、月に1~2回の光合成-光曲線(現場で採取した試料を実験室に持ち帰りクロロフィル励起蛍光計により測定)のデータを用いて植物プランクトンの一次生産速度を算出していることである。つまり、植物プランクトンの光合成-光曲線を数週間一定と仮定して一次生産速度を算出している。しかしながら、光合成―光曲線は植物プランクトンの生理状態や種組成により常に変化するため、より高頻度での測定が必要である。そこで、今後は、係留測器を利用して、光合成-光曲線を毎日推定できる方法の確立を目指す。これにより、一次生産速度の推定精度は飛躍的に向上するものと期待される。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度の研究費は主に「物品費」*として支出し、その他、「旅費」・「謝金」・「その他」の経費として使用する予定である。
*多波長励起蛍光光度計の納品が遅れ、24年度の研究費に未使用額が生じたが、次年度に納入されるため、今年度行う予定の研究計画と併せて実施する。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 琵琶湖北湖沖帯における気象イベントに対する一次生産の応答

    • Author(s)
      太田洋平,後藤直成,伴修平
    • Organizer
      日本陸水学会
    • Place of Presentation
      名古屋大学(名古屋市)

URL: 

Published: 2014-07-24  

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