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2012 Fiscal Year Research-status Report

瓦礫飛散粉じん中有害汚染物質濃度の多点モニタリングと健康リスク度の可視化

Research Project

Project/Area Number 24510030
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

齊藤 貢  岩手大学, 工学部, 准教授 (20271843)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords震災廃棄物 / 多点モニタリング / 飛散粉じん
Research Abstract

東北地方太平洋沖地震による津波がもたらした大量の震災廃棄物は、現在、1次および2次仮置き場で選別・破砕等の処理が行われている。この処理工程において粉じんの発生が予想され、作業従事者や近隣住民への健康影響が懸念される。そこで平成24年度は、仮置き場周辺の飛散粉じん量(PM量)と金属成分についてミクロ繊維シート(MFS)による多点パッシブモニタリングを実施し、PM量の可視化と大気環境に及ぼす影響について評価した。
研究対象地は、岩手県野田村(十府ヶ浦地区・米田地区)と山田町(船越地区)の3地域で行った。また、測定対象金属は、B, V, Cr, Mn, Fe, Ni, Cu, Zn, As, Cd, Pbの11金属を測定した。
多点モニタリングおよびGISによる可視化の結果、3地域すべてにおいて仮置き場内のPM量は高い結果であった。一方、近隣の居住地域のPM量は、過去に同手法でモニタリングを実施した岩手県一関市の1車線道路沿いと同程度の値であった。しかし、野田村十府ヶ浦地区では、仮置き場内のPM量が著しく増加した月において居住地域でもPM量の増加が見られた。この結果より仮置き場からのPM飛散が示唆された。また、PM量と金属成分の相関結果から、PM量はV, Cr, Asとの相関が高く、PM中の含有量を地域ごとに比較したところ、Asにおいて野田村の2地区が山田町船越地区の約4倍の値であることが明らかとなった。東北大の土屋ら(地質学雑誌, Vol.118(7), 2012)は、野田村の津波堆積物中のAs含有量が高いことを報告している。野田村十府ヶ浦地区では、仮置き場内に選別後の復興資材(主成分は津波堆積物土壌)をストックしており、復興資材のストックヤードからAsが飛散したものと推察される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度は、「①モニタリングエリアの選定」・「②モニタリング地点の位置測量」・「③多点モニタリングによる多成分分析」・「④有害汚染物質マップの作成」・「⑤webによる情報公開」を計画した。
①、②については、岩手県野田村の2箇所と山田町の1箇所を選定した。各瓦礫仮置き場の状態を踏査した結果、当初予定したモニタリング数よりも多い調査地点(山田町:33地点、野田村:14、15地点)を設けてモニタリングを実施した。③については、金属11種類(B, V, Cr, Mn, Fe, Ni, Cu, Zn, As, Cd, Pb)の分析を実施した。当初予定したPAH類の分析は、HPLCの不具合により分析できなかったため、平成25年度に繰り越すこととなった。④については、MFSによる「捕集PM量」および「捕集金属量」をGISによりマップ化し、経月変化を確認した。PM量と各金属量との多変量解析や可視化したマップの変化から、PM飛散状況を推察することができた。⑤については、未着手である。
以上より、平成24年度の研究は概ね順調に進んでいると自己評価した。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策は、申請時に平成25年度の実施予定とした「①多点モニタリングによる多成分分析と有害汚染物質マップの作成」・「②有害汚染物質リスク度(単体および複合)の評価」を行う。なお、②を実施するためには、平成24年度に実施できなかったPAH類の分析が不可欠であるため、平成25年度の試料とあわせて平成24年度の試料(冷凍保存中)を分析し、マップ化する。また、webによる情報公開は、ArcGIS Onlineを利用してGISにより可視化した有害汚染物質マップを表示させ、本研究開始時からのデータを私の所属する研究室のホームページにリンクし、情報公開する。
②のリスク度の検討は、WHOにより算出されている空気質ガイドラインを基に、測定対象である重金属類とPAH類の“発がんリスク(ユニットリスク)係数”の算出を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 震災廃棄物仮置き場周辺の大気中粉じん濃度の可視化

    • Author(s)
      津志田匡史、齊藤貢、大塚尚寛
    • Organizer
      第19回大会環境学会北海道東北支部学術集会
    • Place of Presentation
      北海道大学工学部(北海道)

URL: 

Published: 2014-07-24  

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