2014 Fiscal Year Annual Research Report
瓦礫飛散粉じん中有害汚染物質濃度の多点モニタリングと健康リスク度の可視化
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24510030
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
齊藤 貢 岩手大学, 工学部, 准教授 (20271843)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 飛散粉じん / モニタリング / ミクロ繊維シート |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災により甚大な被害を被った東北地方太平洋沿岸地域では、一部の地域を除きH25年度末までに震災廃棄物の処理を終了した。震災廃棄物処理が実施されていた多くの場所は、瓦礫そのものは処理されたものの、復興資材としての利用が見込まれている分別土壌が堆積されたままであったり、処理場跡地の事後整備が残されているところも少なくない。本研究の最終年度である平成26年度は、震災廃棄物処理の終了に伴い、現地の大気環境が回復されたかを検証するため、前年度と同じ場所・同じモニタリング期間でミクロ繊維シート捕集材による多点モニタリングを行い、H24年度からH26年度までの3年間の大気飛散粉じん量の経年変化をGISにより可視化し、近隣居住地域への影響について検討した。また、健康影響度を考慮した捕集粉じん中PAHs含有量(B(a)P,B(k)F,B(g,h,i)P)と飛散粉じん量による複合的な健康リスク度を算出し、GISにより面的な健康リスク度マップの作成を試みた。 3年間の継続モニタリング結果をGISで可視化し解析した結果、処理作業が進行中であったH24・25年度は、モニタリング対象とした一部の震災廃棄物処理場内において大気飛散粉じん量・B(a)P含有量共に近隣居住地域よりも高い値を示していたが、処理作業が終了したH26年度では、すべての震災廃棄物処理場内において近隣居住地域と同程度まで大気環境が回復していることが確認された。また、WHOが発表しているB(a)Pの吸入ユニットリスクを基にPAHs含有量の健康リスク度を推定し、それらと飛散粉じん量(粉じん量はSPMに換算)による複合的な健康リスク度をGISにより検討した結果、H26年度の震災廃棄物処理場内および近隣居住地域の健康リスク度は低いことが推測された。
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Research Products
(2 results)