2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24510063
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
志村 勉 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (40463799)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん / 放射線 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの放射線治療は全身への負担が小さく、優れた治療法であると考えられる。しかし、放射線治療の最大の難問は放射線抵抗性のがん細胞の存在であり、放射線治療後のがんの再発の原因となる。腫瘍は均一な集団ではなく、自己複製能と腫瘍形成能を併せ持つ細胞群、がん幹細胞が含まれると想定され、がん幹細胞は、放射線治療に抵抗性を示す。 我々はがん幹細胞の放射線抵抗性の特性を利用し、ヒト肝がん細胞株HepG2にX線を繰り返し照射し、非がん幹細胞を死滅させ、放射線耐性のがん幹細胞を約90%にまで濃縮した。我々が濃縮したがん幹細胞を用いて放射線応答を解析し、親株のHepG2細胞では細胞死が誘導される5GyのX線照射後、がん幹細胞では、細胞の生存シグナルAKTが活性化され、細胞死の誘導が起こらないことを明らかにした。さらに、がん幹細胞をヌードマウス皮下に移植し、生体内における放射線耐性を検討した。親株細胞から作成した腫瘍では、X線照射(3Gyx7回)によって、腫瘍体積の縮小が観察された。一方、我々が濃縮したがん幹細胞から作成した腫瘍では、同様の照射条件で抗腫瘍効果が観察されず、放射線耐性を示した。ヒト腫瘍片の解析とin vitroの培養細胞の解析を用いて、AKT阻害剤(API-2)と放射線の併用によりAKTの活性化を阻害することで、がん幹細胞の放射線耐性が抑制されることを明らかにした。AKTは細胞増殖、細胞死の抑制とともに、グルコースの代謝を制御する。正常細胞とがん細胞では、代謝機構が異なるため、がん細胞の代謝阻害により、正常細胞の副作用を抑えた放射線耐性の抑制法を検討した。我々は、グルコースの拮抗阻害剤2-デオキシグルコース(2-DG)でがん細胞のグルコースの代謝を阻害することで、がん幹細胞の放射線耐性が抑制されることを明らかにした。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] RAD18 Activates the G2/M Checkpoint through DNA Damage Signaling to Maintain Genome Integrity after Ionizing Radiation Exposure.2015
Author(s)
Sasatani M, Xu Y, Kawai H, Cao L, Tateishi S, Shimura T, Li J, Iizuka D, Noda A, Hamasaki K, Kusunoki Y, Kamiya K.
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Wilms' tumor gene WT1 promotes homologous recombination- mediated DNA damage repair.2014
Author(s)
Oji Y, Tatsumi N, Kobayashi J, Fukuda M, Ueda T, Nakano E, Saito C, Shibata S, Sumikawa M, Fukushima H, Saito A, Hojo N, Suzuki M, Hoshikawa T, Shimura T, Morii E, Oka Y, Hosen N, Komatsu K, Sugiyama H.
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Journal Title
Molecular Carcinogenesis
Volume: なし
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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