2013 Fiscal Year Research-status Report
中性子共鳴吸収分光法を用いた高効率なマルチポイント同時非破壊内部温度測定法の開発
Project/Area Number |
24510116
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加美山 隆 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50233961)
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Keywords | 可視化 / 放射線、X線、粒子線 / 非破壊検査 / 中性子イメージング / 温度測定 |
Research Abstract |
本研究は、中性子共鳴吸収分光器を用いた非破壊・非接触の内部温度測定に関して効率化を図るため、①中性子共鳴吸収分光法によるマルチポイント同時温度測定法の開発および、②S/N比向上を目指したγ線検出器の不均等配置法の検討を行うことを目的としている。平成24年度はこれらの目標を達成するために、以下の項目を実施した。①中性子共鳴吸収分光法によるマルチポイント同時温度測定法の開発に関しては、平成25年度に構築した共鳴吸収即発γ線スペクトルのシミュレーションを様々な核種に対して実施することで、実験に使用する核種を検討した。これにはREFITという共鳴吸収解析コードが適当であるため、このコードにより共鳴核種の即発γ線ピーク形状の温度変化についてシミュレートし、In, Ta、Agといった共鳴核種の即発γ線ピーク形状を確認した。実験に関しては、平成24年度中の加速器施設の変更申請に伴う使用中性子源の更新があったため、平成24年度はこの変更に伴うビームラインの整備とそのシミュレーション体系の構築を進めた。②γ線検出器の不均等配置法の検討に関しては、前述の線源変更に対応するため、モンテカルロ計算コードの代わりに、配置変化に伴うスペクトルの強度変化を解析的に計算するコードを構築した。これにより、試料条件によっては本手法がある程度の位置情報をもたらすこと、特にZ軸方向に位置情報に関しての情報が得られる可能性が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度終了時点において、やや計画に遅れが生じている。 項目①中性子共鳴吸収分光法によるマルチポイント同時温度測定法の開発に対しては、平成25年度に予定していた中性子共鳴吸収実験について、加速器施設の変更申請関係で線源の変更を余儀なくされたため、年度内に実験することができなかった。これに対応する処置として、平成26年度に速やかに実験が行えるようビームラインの整備と共鳴吸収実験シミュレーション用のモデル体系構築を実施した。項目②S/N比向上を目指したγ線検出器の不均等配置法の検討に関しては、線源の変更に伴い、これまでに構築したモンテカルロシミュレーション用体系を破棄せざるを得なかったが、解析的な計算ができるコードを構築して、当初予定していた結果に加えて3次元的な結果も検討できたので、この項目に関しては予定を超えて進捗していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで項目①の実験以外は予定より進んだペースで研究が進捗しており、今後は項目①の実験を行ってその他の結果と比較することを最優先に研究の進展を図る。本研究で推進している即発γ線型中性子共鳴吸収分光法と方式は異なるものの、透過法を用いた類似の中性子イメージング研究も北大やJ-PARCで進められており、両者の特質を検討しながら共鳴吸収分光法による非破壊温度測定法の推進を図る。なお、即発γ線型は、透過型と異なり、線源からのγ線を直接計数することは無いので、バックグランドの面で定量的測定には比較的有利ではないかと考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度未使用額は、即発γ線型/透過型共鳴吸収測定手法の検討を行うためのJ-PARC出張(平成26年4月2日~4日)に関する分である。スケジュール調整の結果、検討の会合が4月となったため、出張が平成26年度にずれこんだ。平成25年度の未使用金額は、基本的にこの経費に充当する目的で繰り越したものである。 平成26年4月2日~4日にかけてJ-PARCへ出張し、前年度予定の情報収集と打ち合わせを行った。残額は平成26年度旅費として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)