2012 Fiscal Year Research-status Report
清水港における船舶を利用した震災時緊急電源システムの研究
Project/Area Number |
24510205
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
金子 仁 東海大学, 海洋学部, 教授 (00127416)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津金 正典 東海大学, 海洋学部, 教授 (30384902)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 減災 / 防災 / 非常用電源 / 陸上電力 / 船舶より給電 / スマートグリッド / 港湾 / 新エネルギー |
Research Abstract |
以下のように本システムはフィージブルであることが分かった。 1.[電源船の役割、供給電力量]:①関係機関の協力で内航海運貨物船(貨物船)の発電データを収集し統計値を作成。一部の貨物船からの発電量を250万KWと試算。漁船に関しては隻数・トン数の統計値はあるが電気設備の統計値はないので貨物船と同じとした場合210万KW。清水港の埠頭に着岸できる隻数を求めたが7万KW~15万KWの発電が可能。②静岡県東部の災害は地震、津波、富士山爆発、台風などで電力被害が発生する。東南海地震被害想定では停電2700万軒。③清水港付近の物流基地、工場などをヒアリングしたが需要電気は15万KW程度。電気設備の震災対応を行っている企業はなく中部電力(中電)が止まれば工場が停止。LNGガス貯蔵施設、マグロ冷凍庫、ガソリン貯蔵施設もある。企業はBCP対応を迫られ本研究は期待された。15万KW程度であれば問題ない。本研究に関して機関、企業から期待され、非常に良く協力していただいている。 2.[技術関係の整理]:①技術的検討が必要であった。船舶からの陸上への給電はどうやるのかである。ソーラ発電のように、一度直流にしてパワーコンで送りだす方法と、交流で同期する方法がある。どちらも可能である。ただ、中電の電気が来ている場合である。全く、中電の電気がない場合の給電方法は、検討する必要があり開発要素がある。②中電に1度概念を説明した。また、中電は静岡市での本研究の講演に出席された。その後に中電に対応窓口ができた。本システムに関してフィージブルであると判明したので2年度に深く打ち合わせを行う。③清水地区には変電所が5箇所程度あり、ここに船からの電気を繋ぎ込み供給することで一般の需要家に供給できる。ただ、需要家では直接、低圧電気を入れて欲しいとの要望あり。需要家に給電するために幾つかの経路を考える必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・当初、本システムはフィージブルかどうか、社会が受け入れるのかどうか精力的に活動した結果フィージブルという確証を得た。それの大きな理由は、東日本大震災以降、防災に国、県、機関、企業、市民が興味を持っていることである。調査には協力していただける風潮あり。電気メーカは新しい事業になるだろうとの意図で技術的な協力をしてくれる。 ・初年度に行う予定の、「電源船の役割、電源船の確保方法、供給電力量の考え方の整理」、「中部電力側施設との関係の整理」がほぼできた。3年度に行う「清水港の船舶を利用した震災時緊急電源システムの電力供給能力の推定」は概略できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.今後(2年度)は①「電源船からの電力供給量を増やすための対策」、②「電源船と中部電力とのインターフェースの検討」、③「電源船側の電源設備および港湾の陸上側電気設備の基本設計」である。①であるが。清水港は狭いが内航貨物船から7万KW~15万KWの給電能力がある。船を大型化(発電力大)した場合、外航船(発電力大。例えば、客船・飛鳥は1隻で約4万KW)を入れた場合を検討する。また、隻数を増やすために港外にメガフロート的浮体を利用した場合などの検討を行う。②であるが、中部電力と窓口ができたので接続の検討を行うことができる。③であるが、初年度に電気メーカと精力的に検討してきている。解決できる。 2.具体的に数か所の港湾物流企業を想定して、基本設計を行う予定。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2年度は直接経費48万円を計画しています。 ほぼ全てが電力会社、電気メーカ、電力ユーザー、港湾電気設備調査の旅費交通費です。北海道、東京、名古屋、大阪などに複数回行く予定です。
|
Research Products
(6 results)