2014 Fiscal Year Annual Research Report
構造方程式モデリングによる多能性幹細胞での細胞分化制御因子の推定
Project/Area Number |
24510285
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
油谷 幸代 独立行政法人産業技術総合研究所, ゲノム情報研究センター, 研究チーム長 (10361627)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 構造方程式モデリング / 遺伝子ネットワーク / 多能性 / ES細胞 / 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、各モデル生物において、細胞分化・器官形成など時間経過とともに形態変化を起こし異なったステージへの移行を決定する細胞内因子を推定し、細胞分化プロセスをネットワークモデルとして解析を行った。 具体的には、構造方程式モデリングを軸とし、因子分析やクラスタリングなどその他の統計解析と組み合わせた新規ネットワーク推定手法を開発した。さらに、開発した手法を、出芽酵母・線虫・ショウジョウバエ・ES細胞やiPS細胞などの様々なモデル生物で測定された遺伝子発現プロファイルへ適用した。線虫では、C細胞系譜の発生過程におけるネットワーク推定を行い、母細胞からのmRNAの分配などが発生制御に必要な事を明らかにした。また、ショウジョウバエの前後軸形成時における遺伝子ネットワーク推定では、羽や目が形成される過程を遺伝子レベルで推定した。さらに、マウスES細胞の多能性に関する発現データからは、LIFやWntなどのシグナルパスウェイによって、多能性と安定化のバランスがとられていることを推定した。このように様々な特細胞分化プロセスで必要とされる遺伝子発現の細胞内制御因子候補を推定した。また、推定した制御因子と遺伝子間の相互関係をネットワークモデル化することで、細胞分化における重要なパスウェイを同定した。
|