2014 Fiscal Year Research-status Report
現代スペインにおける聖と俗：戦争犠牲者の記憶と祈念の諸相
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24510356
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| Research Institution | Aoyama Gakuin University |
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Principal Investigator |
渡邊 千秋 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (00292459)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | スペイン / 内戦 / 記念碑 / 国際旅団 / カトリック教会 / 世俗 / 宗教 / 国家 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においては、スペイン・マドリードで2014年4月に開催された学会"Congreso Posguerras. 75 Aniversario de la Guerra Civil Espanola(スペイン内戦後70年)"における部会で、"Para quien estan colgadas las lapidas?(誰のためにプレートは掲げられているのか)"という題目の研究報告を行った（なお、使用言語はスペイン語）。またその折には、スペイン内外の研究者との意見交換を行う機会にも恵まれ、知見を深めることができた。なおこの学会報告は共著論文として2015年3月に刊行された。
また、2015年3月には、カタルーニャ地方バルセロナ、モンジュイック地区周辺におけるスペイン内戦の死者にささげられたプレート・記念碑に関する調査を行った。また、マドリード大学敷地内にある「国際旅団」記念碑についても継続して調査を行った。このバルセロナ、マドリードでの調査は、スペイン内戦の死者を祀り、平和を祈念する動向には個人的な思考の差があると同時に、地域でのとらえ方に差異があることをあらためて実証する良い機会となった。
またマドリード市立雑誌新聞文書館ではもとより、北部のサラマンカにある歴史的記憶資料センター(旧スペイン内戦史料館)にある資料を参照するにあたって、これまでの研究を補完する新たな資料を見つけたことは、特筆するに値する事項である。
くわえて、独裁者フランコ将軍やJ.A.プリモ・デ・リベーラが眠る「戦没者の谷」の将来的扱いを提言した特別委員会の委員のひとりであったベネディクト会修道士、H.ラゲール氏にインタビューを行い、大変貴重な知見を得た。この記録については、ラゲール氏の確認を経て公開する予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年3月にカタルーニャでの現地調査にくわえ、関係者へのインタビューなどの一時延期となっていた活動を行うことができた。これによって、これまでのマドリードやアラゴンでの事例研究に加え、カタルーニャでの記念碑保存をめぐる事例を収集できた。これらの資料に基づき、比較を行いつつ、平成27年度には成果を文章化することが可能であると考える。
未だホームページ作成には至っていないのが現状であるが、本研究の進展とほぼ同時期にスペインでも大学や法務省など諸公的機関がスペイン内戦関連事項のデータベース・ホームページの作成を行っていることを鑑み、本研究の独自性を考慮したうえでのインターネット上の研究成果公開の可能性を模索中である。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査結果をふまえ、研究成果を文章化・公開する予定である。
特に、カタルーニャでのスペイン内戦をめぐる記念碑の扱い、「戦没者の谷」の将来構想、また市中に残存する内戦の死者を祈念する宗教的・非宗教的プレート存続の是非をめぐる攻防など、現在もスペイン社会で問題となっている点を十分に考慮したうえで、成果をまとめたいと考える。
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| Causes of Carryover |
平成25年度においては謝金等の支払いが発生しなかったが、平成26年度は情報提供をいただいた方への支払いが生じている。スペインでの学会報告を行ったことに加え、また延期となっていた現地調査、インタビューを進めることができる運びとなったため、予算調整の必要が出て、前倒し請求を行った。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は図書費、物品費に予算を当てながら、これまでの蓄積を踏まえて研究成果を公開する予定である。
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