2015 Fiscal Year Annual Research Report
東チベットにおける「宗教紛争の構造」と「宗教ネットワークの形成」に関する研究
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24510361
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
川田 進 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10288756)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 宗教政策 / 民族政策 / 中国共産党 / イスラーム / チベット仏教 / 宗教ネットワーク / 統一戦線活動 / ソーシャル・キャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度(4年目)は、チベット仏教とイスラームにおける宗教ネットワークの形成に関する現地調査を行った。調査①の地点はパンチェン・ラマ10世故居(青海省循化サラール族自治県)、シェーラブ・ギャムツォ故居・古雷寺(青海省循化サラール族自治県)、イスラーム胡門墓地・南街モスク・モスク内アラビア語学習教室(甘粛省臨夏回族自治州広河県)、拉桑寺(甘粛省蘭州甘南チベット族自治州迭部県)、長征時期の毛沢東故居・臘子口記念館(甘粛省甘南チベット族自治州迭部県)、西華モスク(甘粛省岷県)、卓尼寺(甘粛省甘南チベット族自治州卓尼県)、合作モスク(甘粛省甘南チベット族自治州合作市)。チベット仏教高僧の故居を見学し、中国共産党の統一戦線活動の実態を把握した。甘粛省南部におけるイスラーム予備調査を行った。調査②の地点はマジュヌカティラチベット難民村(インド、ニューデリー)。東チベットの宗教状況を論じる上で、亡命政府の支援を受ける難民村の視察から新たな情報を獲得した。 4年間の研究全体を通して、毛沢東から胡錦濤時期における中国共産党の宗教政策とチベット政策、「2008年チベット騒乱」の構造分析、ラルン五明仏学院(四川省色達県)とヤチェン修行地(四川省白玉県)における漢人信徒の動向、青海省玉樹大地震救援活動を通したソーシャル・キャピタルの形成、デルゲ印経院(四川省徳格県)と文化大革命を調査し、単著『東チベットの宗教空間』(北海道大学出版会、2015年)にまとめた。
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Research Products
(3 results)