2015 Fiscal Year Annual Research Report
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24510362
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
安武 留美 甲南大学, 文学部, 教授 (10351751)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 環太平洋 / グローバル化 / 国際女性ネットワーク / 近代化 / 労働法 / 児童労働 / 文明化の使命 / キリスト教 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、20世紀初め、ハワイに誕生した汎太平洋婦人協会(PPWA)に関わる環太平洋女性ネットワークが、当地域における近代化、西洋的システムのグローバル化、人種/民族ナショナリズムの高揚とどのように関わってきたのかを解明しようとするものである。PPWAは、19世紀の初めから活動を始めたアメリカ人宣教師の子孫を中心とするハワイの白人女性たちの主導で発足した組織であるが、そのアジア系及びポリネシア系女性を積極的に受け入れようとする内包的姿勢に注目した。そして、ハワイでの白人、先住民、アジア系女性の関係およびハワイとアメリカ本土、アジア諸国との関係を明らかにしながら、環太平洋地域におけるアメリカ的システムのグローバル化をジェンダーの視点から考察した。 平成26年度は、1)これまで取り組んできた本の最終章を完成させるために資料の解読と執筆に取り組み、2)ハワイにおける白人女性たちとハワイ先住民および日系アメリカ人との関係に関する最近の研究成果を2つの国際学会で口頭発表し、3)ハワイ先住民女性を中心とする女性運動に関する2015年の甲南大学紀要掲載論文に加筆修正を加えた。その改訂論文は“Re-franchising Women of Hawaii, 1912-1920: Politics of Gender, Sovereignty, Race, and Rank at the Crossroads of the Pacific”というタイトルで、Brill社から出版予定のJudy Tzu-Chun WuとCatherine Ceniza Choy 両教授の編集する論文集―GENDERING THE TRANSPACIFIC WORLD: DIASPORA, EMPIRE, AND RACE ―の一編として採用された。現在、その論文集は第三者による審査の途中にある。
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