2014 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア企業グループの変化と連続性: 政治体制の転換の観点から
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24510366
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
佐藤 百合 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (00450453)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 企業グループ / 地域研究 / インドネシア / 国家統治体制 / 企業統治 / 国家と企業 / 華人とプリブミ / 経営資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インドネシアにおける主要な経済プレイヤーである企業グループが、権威主義から民主主義への政治体制の転換を越えていかなる変化と連続性をみせているかを検証し、企業グループの存続メカニズムを探ることを目的としている。 最終年度である2014年度には、研究成果のとりまとめとして、インドネシア企業グループの約50年にわたる生成・発展・再編・復活の過程から一つの一貫した論理を導き出す作業を行った。執筆完了、出版は次年度の見込みである。成果の論点は主に次の二つである。 第一に、企業家の顔ぶれには連続性が、事業には非連続性が認められた。2010年代の100大企業グループの8割以上が、1990年代末の体制転換と経済危機を生き延びた既存の企業グループであり、2000年代に新しく成長してきたものは少数派にすぎなかった。しかし、既存のグループであっても傘下事業は大きく再編され、重工業から農園業・鉱業・新興サービス業へと軸足がシフトしている。 第二に、企業グループは所有経営主を中心点(コア)とし、ネットワークを用いて必要な外部資源を調達することによって成長してきたと考えられる。これを私は「コア&ネットワーク仮説」と呼ぶことにした。これまでの研究では、企業グループは、政府から得られるレントを利益の源泉として市場独占力を強化するか(レントシーキング仮説)、グループの内部市場を利益の源泉として不完全市場を補う効率性を生み出すか(市場代替仮説)、いずれかの形態と捉えられてきた。これに対して「コア&ネットワーク仮説」では、所有経営主のもつ企業家能力というコア資源が同時多重的に利用できること、ネットワークによって外部資源を動員することで資源調達コストを節減できることが、企業グループの利益の源泉であると捉える。この仮説によって、変動の大きい環境条件に柔軟に適応しようとする新興国企業のビジネスモデルを提示することができる。
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