2012 Fiscal Year Research-status Report
近現代日本の民間精神療法に関する宗教史的考究 身体と社会の観点から
Project/Area Number |
24520075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
吉永 進一 舞鶴工業高等専門学校, 人文科学部門, 准教授 (90271600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 直子 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (10608433)
塚田 穂高 國學院大學, 研究開発推進機構, 助教 (40585395)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精神療法 / 霊術 / 新宗教 / レイキ / 丹田呼吸 |
Research Abstract |
本年度は早稲田大学にて6回の研究会を開催し、研究会参加者の自己紹介を兼ねて発表を行い、原坦山(吉永進一)、レイキ・ヒーリング(平野直子)、丹田呼吸(野村英登)、自己啓発書(牧野智和)、儒教瞑想論(野村)、仏教と精神療法(吉永、クリス・ハーディング)についての発表と議論があった。第6回の研究会では、医学史研究会(代表:鈴木晃仁)、近角常観研究会(代表:岩田文昭)との共同で、ワークショップとして開催した。 他分野の研究者との交流を進めた結果、野村英登(中国思想)、奥村大介(思想史)ヤニス・ガイタニディス(医療人類学)、田野尻哲郎(科学史)、牧野智和(社会史)、佐藤雅浩(社会学)、クリス・ハーディング(精神医学史)諸氏の研究会への参加を得ることができた。またPhilip Deslippe(カリフォルニア大サンタバーバラ)、Justin Stein(トロント大)などの海外若手研究者と情報交換を開始した。 個々の研究実績としては、吉永は太霊道関係の資料収集、原坦山、井上円了、桑原俊郎についての研究発表、平野はレイキ関係の資料収集と研究発表、塚田は中村天風関係の資料収集と研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究会発足の年であり、研究体制を基礎づける時期でもあった。当初予定していた研究分担者以外にも、民間精神療法にかかわるさまざまな分野の研究者を集める必要があったが、その点は予想以上にスムーズにいった。『太霊道』のデジタル化は次年度に回されたが、研究会を通じて、身体技法、自己啓発など、「民間精神療法」をめぐる広い範囲の諸問題への目配せができたと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究体制の基礎固めの時期であったが、次年度は研究領域と方法についての基本方針を確認する。「民間精神療法」とは、「宗教的治病」でもなく「治療の宗教性」でもなく、その両者の間の領域であり、従来、研究対象として学問的に確定していなかった点も多い。したがって、次年度は、日本宗教学会でのパネル発表を行い、その点を学会から問いかけ、フィードバックを得ることにする。また、民間精神療法の主たる運動であった「太霊道」については、歴史的調査研究をさらに遂行していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度実現できなかった雑誌『太霊道』のデジタル化を行う。また今年度と同じく、研究会を開催する予定であり、そのための交通費など諸経費として使う予定である。
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Research Products
(3 results)